コロナで観光業崩壊「ニューヨーク」の悲惨な今 観光業が主力産業になっていた都市の現状は

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パンデミック前は、ツアーの参加者は80人を超え、満員の89人に達するのが普通だった。が、今では最も混み合う週末でも35人の参加者が集まればいいほう。月曜日の午後となれば10人を大幅に割り込むこともあるという。

「壊滅的だ」とヘンガル氏。「この先どうなるのかもわからない。先の見通しはまったく立たない」

リバティ島に観光客を運ぶフェリーを運航するスタチュー・クルーズの平日の乗客は、同社の営業・マーケティング担当ディレクター、ラファエル・アブレイユ氏によると、パンデミック前の8〜15%程度まで落ち込んでいる。「9.11(の同時多発テロ)やハリケーン・サンディのときよりもずっとひどい」という。

冬になって感染がひどくなる前に…

 

それでも、観光客がいなくなったわけではない。

16日、タイムズ・スクエア北側のダフィー・スクエアでは、シリア・ヒダルゴさん(33)がボーイフレンドのルイス・ミランダさん(32)と写真を撮っていた。前日の日曜日にメキシコのプエブラからニューヨークに来たという。安くなった航空券と、秋の快適な気候がニューヨーク旅行の決め手になったそうだ。

「感染予防はいろいろとしているし、できる限りの安全策をとるつもり。ただ、気温が下がってきて、もし感染がひどくなったら、旅行はもっと難しくなる。だから、旅行できるうちにニューヨークに来たかった」とヒダルゴさん。

ニューヨーク市観光局はニューヨークで宿泊した人と、50マイル(約80キロメートル)以上離れた場所から移動してきた人を旅行客にカウントしている。春のロックダウンを受けて、観光局はそれまでの予測を破棄していたが、最新の予測では旅行客は2021年に3820万人となり、2024年までに6900万人まで増加する見通しとなっている。

とはいえ、国外からの旅行客は2021年になっても500万人に届かず、2024年の段階でも2018〜2019年に記録した1350万人のレベルには回復しないと予想されている。

ディクソン氏の話では、国外からの旅行客がニューヨーク滞在中に使う金額は通常、国内旅行客の4倍に上るという。

(執筆:Patrick McGeehan記者)
(C)The 2020 New York Times News Services

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