フリーフォール J・E・スティグリッツ著/楡井浩一他訳
急降下(フリーフォール)したグローバル経済は、危機からいつ回復できるのか、そもそもなぜ、この危機の到来を予測できず、地球全土に広がったのか、大きな犠牲から何を学ぶことができるか。誰もが知りたいこれらの疑問の解明に、著名経済学者が舌鋒鋭く迫る。
著者は「予測する科学」経済学自体にも矛先を向ける。「アメリカが自国の経済改革を達成したいのなら、経済学の改革から始めるべき」として頁数を多く割く。「経済学は学究の一分野から、自由市場資本主義の旗振り業務へと姿をかえてしまった」との反省からだ。
過去の経済理論は「市場をうまく機能させるために何ができるか、膨大な見識をあたえてくれた」はずにもかかわらず、それを無視した歩みを詳述。「より安定し、繁栄し、公平である経済を築きあげたいと願う」ハイエク等の言説に目を向けよとも説く。
中でも、米国の財政赤字に「無秩序な巻き返し」がありうると警鐘を乱打する。
徳間書店 1890円
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