プレステ5、ソニー事業部門トップが語る手応え 11月12日に発売、「PS4」超えは実現するか

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――PS5発売の2日前(11月10日)には、マイクロソフトがXboxの新作を発売します。値段はほとんど同じですが、Xboxは機能を絞った簡略版をPS5より安く販売します。

その戦略の違いがどうなるかはこれからわかることだ。ただ、これまでのコンソールのビジネスの歴史を振り返ってみても、スペックを低くして値段を下げた製品は、一般的に言ってあまりハッピーな結果にはなっていない。

PS5では、シンプルであること、ゲーマーに選択肢を提供することを重視している。だからPS5は(2種類のバージョンがあっても)いつも同じコンソール。唯一の違いはディスクドライブがあるかないかだけ。このことが重要だ。

もう1つ大事なのは、ゲーマーが新しいコンソールを買ったときに、それが無駄な投資にならないということだ。例えば、3年後に4Kのテレビを買ったとき、今買ったコンソールできちんと対応できるということ。私たちはこうした戦略に満足している。

マイクロソフトとは今後も協業していく

――マイクロソフトとは、AIやクラウドゲームで協業関係にあります。

クラウドゲームに関してはマイクロソフトと話はしている。クラウドのビジネスで経験を持っているマイクロソフトと議論することには意味がある。マイクロソフトはクラウドに専門知識があるだけでなく、世界中にデータセンターを持っている。マイクロソフトだけでなく、いろんな会社とのパートナーシップを今後も模索するのには意味があると思っている。

――PSは多様な事業を抱えるソニーの中でどのような役割を果たしますか。

ソニーの吉田憲一郎CEOのもとで、「One SONY」の可能性を最大限にする環境は整ってきていると思っている。私がPSのチームに伝えているのは、2020年はゲームイベントではなくて、それを超えた文化イベントにしたいと言った。その夢を叶えるために、ソニーのほかのエンターテインメントグループが持っている資産を活用できたのはとても良かった。例えばソニーミュージックのアーティストであるトラヴィス・スコット(世界的人気ラッパー)にはクリエイティブパートナーになってもらった。PSのIPを利用するという点では、「アンチャーテッド」をソニーピクチャーによって映画で生かしてもらうといったコラボレーションができた。

――これからもそうしたことがたくさん起こるということですね。

イエスだ。

――最後に、ライアンCEOのおすすめソフトを教えてください。

PS4に関しては「ゴースト・オブ・ツシマ」がすごく気に入った。PS5では、「スパイダーマン マイルズ・モラレス」がおすすめだ。

高橋 玲央 東洋経済 記者

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たかはし れお / Reo Takahashi

名古屋市出身、新聞社勤務を経て2018年10月に東洋経済新報社入社。証券など金融業界を担当。半導体、電子部品、重工業などにも興味。

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