脱ガラパゴス戦略 台頭する新興国市場の攻略法 北川史和・海津政信著
世界経済は、「米国による一極集中の時代から、複数の新興国が跋扈(ばっこ)する多極化の時代へと舵を切った」。そこでの日本企業の成長戦略は、台頭する新興国市場の攻略こそ本命であるとし、その攻略法の考え方と実践の基本が示される。
骨子は三つに絞られる。(1)現地のニーズに即した製品開発、(2)コストを下げるための現地化。この2点には目新しさがないが、(3)新興国が求める“日本ブランド”に応える戦略、これは多様にありえそうだ。
たとえば(3)は「安いといってメード・イン・チャイナのトヨタ車を中国人は好んで買いますか」との問いに端的に表現される。日本で生産する“日本ブランド”こそ、続々と増える新興国の「所得1万ドル」超世帯が待ち受ける製品であって、量産狙いの攻勢では差別化は無理との判断だ。その日本ブランドは品質と安全・安心がキーワードだという。
タイトルは、「独自進化」の絶海の孤島からの脱出をめざすたとえが由来。
東洋経済新報社 1680円
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