――MaaS担当を命じられた当初は「まったく乗り気ではなかった」と。かなり落胆されたようですね。
そもそも僕は異動で違う仕事をするはずだったんです。そこで「何で自分がMaaSなんだよ」というのもありましたし、自分は過去に交通事業の経験がゼロでしたから、自信がないというのもありました。交通はしがらみがあるというイメージもあって。鉄道は鉄道、バスはバス、と厳然とした垣根があるところをシームレスにするような仕事だなと思うと、漠然とこれは猛反発を受けるのではないか、自分にできるのだろうかと。
――プロジェクトチームは森田さんと3人の部下でスタートしています。チームのメンバーはかなり個性的な方々だったようですね。
個性的すぎましたね。1人は英語が母国語の不思議な奴、1人は一言も話さない、そして1人は「僕はマグロだから泳ぎ続けないと死んでしまう」といって来ない。最初はやったこともないことをこのメンバーとどうやって進めていくのか、本当に手探りでした。
他社との協力を進めるときも、どこにいけば誰がいるのか、いろいろな人に聞いて会いに行って仲間を増やして……という感じで。ヘンテコなメンバー3人を引き連れてトコトコ歩いていくという、なんだか「ドラクエ」みたいですね。呪文とか魔法は使えないんですけど(笑)。
でも今回本を書いて、彼らに本当に助けられたんだなと改めて素直に感謝できました。本当にありがたいことだなと思っています。
手探りで続いた改善
――「Izuko」の実証実験は2019年4月1日~6月30日の「フェーズ1」と、同年12月10日~2020年3月10日の「フェーズ2」の2期に分けて行われました。最初は不安も多く手探りだったとのことですが、「これでいける」と自信が持てたのはいつ頃ですか。
今年の2月ですね。それまでは本当に不安だらけでした。フェーズ1はとにかく静岡DCに合わせて立ち上げるんだということで、最初の1年間は正直なところそれだけで必死だったんです。フェーズ2はサービスの見直しを図り、スマホのアプリからブラウザ上でウェブサービスを使う形に切り替えて、使いやすさは大幅に向上しました。
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