佐川急便、「コロナ危機」を生き抜く物流戦略 消費者向け直販チャネルにどう対応するか

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2020年1月に竣工したSGグループの次世代型物流施設「Xフロンティア」(撮影:尾形文繁)
緊急事態宣言の発令に伴い、企業間物流の荷物量は減少し続ける一方、外出自粛による巣ごもり需要でEC(ネット通販)の荷物量は急増している。
コロナ禍で宅配便の成長が加速している中、大手宅配3社の中でSGホールディングスは唯一、期初時点から2021年3月期の業績を増収増益と予想。7月末には通期業績予想を上方修正し、前期比で15%を超える営業増益を見込んでいる。
アフターコロナ時代に日本の物流はどうなるのか。SGホールディングスの中核会社である佐川急便の本村正秀社長に聞いた。

顧客ニーズに合ったソリューションを

――新型コロナウイルスの感染拡大で、どのような影響が出ていますか。

航空便の減便で海外からモノが調達できない、あるいは一部遅延などの影響が出た。(企業向けの)BtoBは、緊急事態宣言が解除されれば荷物量も回復すると想定していたが、コロナ以前の水準にまで戻っていないのが現状だ。

他方、(個人向けの)BtoCの荷物に関してはコロナ禍を機に急増している。とくに小売業やアパレル関係の荷主は、「今までと同じ売り方では駄目だ」とECにシフトしようとする動きもある。

増加するBtoCに対応していくには、(顧客の玄関先まで届ける)ラストワンマイルのインフラをしっかりと整えなければいけない。外出自粛に伴って在宅率が上昇し、再配達は減っているが、緊急事態宣言の解除後は徐々に再配達も増えている。

国内の物流拠点を増やすのか、逆に集約させるのか、顧客も物流戦略を見直している段階にある。これから年末に向けてBtoB、BtoCの荷物量を見極めながら、われわれも備えなければならない。

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