「クイズ!脳ベルSHOW」が超人気番組になれた訳 飲酒にカンニング「何でもアリ」なBSの異端児

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8月3日から放送される1000回記念ウィークでは、千秋、千原せいじ、駒井千佳子、せんだみつおなどなど、名前に「千」の付く有名人だけをゲストパネラーに迎えて熾烈なクイズバトルが行われる。

1000回記念ウィークは「千」のつくゲストだけを集めて対決(写真:BSフジ提供)

この遊び心、何よりも地上波では考えられない無茶苦茶な雰囲気。一体どのようにして番組は作られてきたのか。企画・編成を担当するBSフジ編成局編成部・谷口大二氏に話を聞いた。

「2015年当時、BS各局のコンテンツにクイズ番組はありませんでした。たまたま病院へ行く用事があったのですが、待合室にいたシルバー世代の方々が脳トレ本で問題を出し合っていたんですね。BSの番組でシルバー世代を対象としたクイズ番組があったら面白そう……ざっくりとした枠組みだけ決めて、制作会社と番組作りを始めました」

2019年時点で、BS放送視聴可能世帯数は約4287万世帯、世帯普及率は約74%。BS放送開局から20年を経て普及率こそ伸びたが、視聴者の多くはシルバー世代だという。そのためBS番組は、どうしても年長者を対象とした番組が多くなる。

早すぎた「長州力がコメンテーター」の番組

同時期、谷口氏は土曜の昼間に、『DO YOU?サタデー』(2016年4月~2017年3月)という“シルバー世代の『王様のブランチ』”を標榜した生放送の情報番組を手がけている。

MCに水前寺清子、衝撃的だったのはコメンテーターにプロレスラーの長州力を配置するという斬新すぎるキャスティングだった。活舌が悪くて何を言っているかわからない以前に、「俺、興味ないもん」とコメントを放棄する新しすぎる姿勢に、革命戦士の背中を見た。

「ちょっと早すぎたなと(苦笑)。でも、これも狙いがあって、女性にとっては水前寺さんが、男性にとっては長州さんがヒーロー的存在ですから、シニア世代に刺さるのではないかと考えた。BS番組は地上波の番組と違って、違和感を与えないと見てもらえない。たまたまチャンネルを回したときに、ん?と興味を抱いてもらえるような仕掛けが必要なんです……でも、やっぱり早すぎたなぁ」(谷口氏)

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