フランス勢ではプジョーが「3008」の上に「5008」をラインアップしたほか、プレミアム勢でもBMW「X5」やメルセデス・ベンツ「GLE」のように、従来は3列シートの設定がなかった車種にも最新型には3列シートが設定されるようになった。
【2020年6月4日9時30分追記】初出時、上記に記述した車種の一部に3列シートの設定がなかったので、修正しました。
さらには、メルセデス・ベンツのニューモデル「GLB」(日本未発売)も、コンパクトクラスながら3列シートが設定されている。このクラスで3列シートというのは日本車のお家芸だったが、時代が変わりつつある印象を受ける。
一方で、ちょっと意外なのがジープだ。かつて2006年~2010年にフラッグシップとして据えた「コマンダー」は3列シートを備えていたが、1代限りで終わり、その後は中国専売で3列シート車が存在するものの、グローバルモデルには3列シート車が存在しない。
また、日本でも絶好調のボルボも、3列シートの設定があるのは「XC90」のみだ。いずれも「グランドチェロキー」や「XC60」あたりの次期モデルには、3列シートが設定されるかもしれない。
超高級ブランドのSUV事情は異なる
かたや超高級ブランドとスポーツカーブランドは、大柄でも2列シートであることが暗黙の掟となっている。ベントレー「ベンテイガ」、ロールスロイス「カリナン」、ランボルギーニ「ウルス」、ランドローバー「レンジローバー」、マセラティ「レヴァンテ」、ポルシェ「カイエン」などは、サイズ的には十分に可能でも3列シートは設定されていない。
中でも興味深いのがレンジローバーだ。サイズの近い「レンジローバースポーツ」には3列シートが与えられていても、フラッグシップのレンジローバーには設定がないあたり、本当の高級SUVとはそういうものだ、というランドローバーのポリシーが感じられる。
そもそも3列シートを持つSUVが増えたのは、ユーザーの要望を受けてのことにほかならない。
もともとSUVは、北米で「サッカーマム」などと呼ばれたミニバンに食傷気味となったユーザーの受け皿として、たくましいルックスが受けて人気を得た。その意味では3列シートのあるSUVが好まれるのは不思議ではないし、実際に近所の子どもたちをフルに乗せても、ごく短時間だけ移動するぐらいの使い方なら、ミニバンでなくても十分、事足りる。
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