日銀が追加金融緩和、社債やCPの買い入れ増額  国債の購入上限を撤廃、物価モメンタム削除

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4月27日、日銀は金融政策決定会合で追加緩和策を決定した。都内の日銀本店で2016年3月撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 27日 ロイター] - 日銀は27日に開催した金融政策決定会合で追加緩和策を決定した。企業の資金繰り支援を徹底し、金融市場の安定を維持する観点から、1)CP・社債の買い入れ増、2)新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業向けの金融支援オペの拡充、3)国債のさらなる積極的な購入──を打ち出した。

CP・社債の買い入れについては、合計約20兆円の残高を上限に買い入れを実施することを決定した。従来の合計額は7.4兆円だった。CP・社債の発行体ごとの買い入れ限度を大幅に緩和し、買い入れ対象の社債等の残存期間を5年まで延長する。

日銀は3月に創設した新型コロナ対応の金融支援特別オペも拡充する。適格担保の範囲を家計債務を含めた民間債務全体に拡大するとともに、参加できる金融機関を広げる。同オペを利用した貸出残高に相当する当座預金にプラス0.1%の付利を実施することで、金融機関のインセンティブを高める。

黒田東彦総裁は執行部に対し、政府の緊急経済対策を踏まえた金融機関への新たな資金供給オペを早急に検討し、金融政策決定会合に報告するよう指示した。

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