もう一攫千金は終わり?「上場ゴール」に赤信号 速報!2020年IPO「勝ち組・負け組」ランキング

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
コロナショックの余波によって、スポーツジム「エニタイムフィットネス」の運営会社は、上場を延期するはめになった(記者撮影)

長らく活況が続いてきた新規株式公開(IPO)市場は、コロナショックで一気に逆回転へと向かっている。介護施設や保育所などを運営するミアヘルサ(7688)は、3月17日に何とかジャスダック市場にIPOを果たした。だが、公開価格2330円に対し、初値は1748円。終値は1498円まで下げ続け、この日に予定していた青木勇社長の会見を急きょ中止した。

まさに最悪の船出だ。同日にIPOしたドラフト(5070)は、公開価格に対して上場初日終値が約39%、リビングプラットフォーム(7091)は約22%も下回っている。前日16日にIPOしたミクリード(7687)は24%、13日の木村工機(6231)は14%も初日終値が下回るなど、阿鼻叫喚の様相を呈している。

3月16日発売の『会社四季報』(2020年2集春号)では上場3778社を掲載しており、2月中旬以降に発表された新規上場企業は「最新上場会社」の欄に掲載している。ただ、新型コロナウイルス騒動の余波で、上場延期の企業も現われるなど、事態は大きく流動化している。

6割超が公募割れという異常事態

一般的にIPO株の売り出し価格は、適正価格よりも2~3割ディスカウントされている。だからこそ初値上昇が見込めるので人気が高い。しかし2020年に入り、3月17日までにIPOした会社のうち、実に6割以上の会社が公開価格に対して初値終値が下落している。まさに異常事態と言える。投資家が損失を抱えたことは言うまでもないが、資金調達する企業にとっても死活問題だ。

『会社四季報』(2020年2集春号)は3月16日(月)発売。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

IPO時に大株主の創業者やファンドが高値で株を売り抜け、その後に株価が低迷すると、一攫千金を狙っただけの”上場ゴール”と批判されがち。もっとも、足元は公開時から買い手がつかずに公開価格を下回る、”失敗IPO”が後を絶たない。

しかも今回のタイミングは最悪だ。「2020年3月はかつてない水準でIPOが集中している」(いちよし証券投資情報部の宇田川克己・銘柄情報課長)。もともとIPOは3月と12月に集中しやすいが、直近で最多だった2017年3月の23社に対し、2020年3月は28社が控えていた(3月17日時点で25社)。

今回は2020年にIPOした企業を対象に、直近株価と上場初日終値での騰落率ランキングを作成した。当ランキングでは、1月から3月17日上場分までの16社が対象だが、その結果は惨憺たるものとなった。

次ページ上昇率1位は地元密着のあの会社
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事