メルセデスAMG A35は思わずのけぞるほど速い 専用チューニングマシン、乗ってわかった実力
瞬発力は、見事。ギアをドライブに入れて、アクセルペダルを軽く踏んだだけで、飛び出すようにスタートします。高速走行で、定速走行時から追い越し加速するときの身のこなしの鋭さも、目が覚めるほどです。
ステアリングホイールを切ったときは、間髪入れずという感じで、クルマのノーズがさっと向きを変えます。このレスポンスのよさ、ドライバーはクルマと意志が通いあっているように感じるはず。そのぐらい反応が速いんです。
クルマが自分の思いどおりに動いてくれると感じられるのは、実にいいもの。
そのためには、足まわりと車体の剛性とが重要な要素でありますが、加えてもう1つ。クルマと自分が一体化していると思えるには、ブレーキペダルを踏んだときの制動力のリニアさにもかかっています。
スポーツカーの命はブレーキ。速いクルマを作るのは簡単だけれど、速く止まれるクルマはたいへん、とはよく言われることです。その点A35 4MATICは、ぬかりありません。
ペダルのフィールは繊細で、極端なことをいうと1センチ単位で制動距離が調節できそう。かつ、強く踏めば強力な手でつかまれたようなストッピングパワーを発揮してくれるのです。
こういうところに、モータースポーツの歴史が長く、F1では2014年から6年連続で選手権を獲得しているメルセデス・チームの存在感を感じさせるではありませんか。
気分が盛り上がるインテリア
インテリアもかなりスポーティ。ドライブ好きのオヤジさんなら、やる気をかき立てられるでしょう。
モータースポーツの世界ではおなじみの、コーナリング中にからだが滑りにくいスウェード調の素材をシート表皮やステアリングホイールなどに採用しているのも、機能的であり、かつ雰囲気的にも気分を盛り上げてくれます。
そもそも、Aクラスというメルセデス・ベンツのラインナップでもっともコンパクトなクルマに、モータースポーツで培った知見と経験を注ぎ込んだホットハッチのアイディアは、2014年に実現しました。
3代目Aクラスに、「A45 AMG 4MATIC」という265kW(365ps)、最大トルク450Nmの2リッターエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載したモデルを設定。市場で歓迎されたのが、スタートでした。