バスと何が違う?臨海部の新たな足「東京BRT」 虎ノ門や新橋と「選手村マンション」方面結ぶ

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環状2号線地下トンネルの完成後、2022年度以降は本格運行に移行。便数も毎時20便に増やし、輸送力も1時間当たり2000人に増強する。バスレーンを設けて定時性を高め、表定速度も新交通システム並みの20kmにスピードアップ。最大輸送力は1時間当たり5000人を目指す。

本格運行時のルート図(画像:東京都都市整備局)

気になるのはコストだ。車両は燃料電池バスで1台約1億円、連接車両で1台約6000万~7000万円。ただ、燃料電池バスの場合、経済産業省が約5000万円、東京都が約2500万円の補助金を出す。

虎ノ門のターミナルは「ヒルズ」内

東京都の主な負担は、車庫となるBRTターミナルの建設と停留所の設置費用だ。2020年度予算案にターミナルの土地代など130億円を計上する。プレ運行では停留所は仮設だが、本格運行の際は20mサイズの屋根付き停留施設建設に1基当たり1億5000万円が必要だ。建物併設で不要な場所を除き最大約24基分が必要だが、工費総額は出ていない。

東京都ならではのスケールだが、さらに民間活力も手伝い恵まれた点もある。虎ノ門の停留所「虎ノ門ヒルズ」は、今年1月に完成し、4月オープン予定の「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」の中にある。約1000平方mのバスターミナルの中に併設されるため、停留所の設置費用は森ビルが負担する。

バスターミナルが入る虎ノ門ヒルズビジネスタワーは、今年6月に開業予定の東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅と地下通路でつながる。虎ノ門が都心部と臨海部を結ぶ新たな交通拠点となる。

東京都都市整備局はプレ運行開始までに、東京BRTの新造車両を公開するなどして周知を図る。新たな輸送手段であるBRTは、今後さらに人口の増加する臨海部の足を担うことになる。

中島 みなみ 記者

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なかじま みなみ / Minami Nakajima

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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