未婚者ほど「ひきこもり中年」になりやすい理由

「おひとりさま」はお気楽な選択なのか?

でも、家族がいれば、孤独ではないのでは……。そう考えられる方もいるでしょう。前回の2つの事例を思い出してください。AさんもUさんも、一緒に暮らす家族はいました。しかし、家族以外に居場所がなく、相談できる人もいなかったことが、彼らをひきこもり生活へと加速させたのです。

「ひきこもりから回復するとき」には、家族である「親」の存在が大きな役割を果たします。家族、とくに親というのは本来、子どもの心の居場所(安全基地)や心の土台をつくるために欠かせない存在です。

しかし、時と場合によっては、家族はとても遠い存在にもなりえます。身内だからこそ話しにくかったり、助けを求めにくかったりすることもあるでしょうし、家族関係がうまくいっていなければ、当然ながら家族に助けを求めるのは難しいものです。

そんなときに助けを求められるコミュニティーや仲間がいないと、孤独感がより増し、ひきこもりになりやすいのです。先のデータでもわかるように、日本には社会的なつながりを持たず、「ふとしたことで、孤独になりやすい人」が多くいます。

家族や職場以外のコミュニティーを持たない人が、なんらかの形で仕事を失ったり、家族との関係がよくないなかで家に閉じ込もるようになると、孤独になり、一気にひきこもりやすくなるのです。

孤独が人を「ひきこもり」にする

ひきこもりを考えるときに、「孤独」の問題は避けて通れません。孤独が人をひきこもり化させ、ひきこもることでその人の孤独が加速する……。そんな悲しい相乗作用があるのが、ひきこもりと孤独の関係なのです。

先の事例でも、1000万円プレイヤーだったAさんは、「雇用打ち切り」ののちに、みずから周囲と連絡をとらないようになって孤独化し、ひきこもっていきました。

孤独になると、その人にじわりじわりと絶望が襲ってきます。絶望とは、読んで字のごとく、望みが絶たれた状態なので、絶望に置かれた人はセルフイメージ(自己評価)が日を追うごとに低下していき、徐々に自分を粗末にしていくようになります。これが、いわゆる「セルフネグレクト」という状態です。

セルフネグレクトとは「自己放任」ともいわれます。自分の生活や健康の状態が悪化しているにもかかわらず、改善する意欲や助けを求める気力を失っていくことを指します。

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