3月ダイヤ改正、JRのどんな車両が引退するのか 新幹線から普通列車まで全国総チェック

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●JR西日本 紀勢本線(きのくに線)113系

113系といってもピンとこないかもしれないが、東海道線などを走っていたオレンジとカボチャ色の電車、と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

紀勢本線(きのくに線)で活躍していた113系。独特な姿が特徴(筆者撮影)

その改造車が2002年に登場、紀勢本線の御坊ー紀伊田辺間を中心に使用されていた。ここだけに存在した「ご当地電車」と言えるだろう。

コストを抑えて改造したために、お世辞にも「カッコイイ電車」とは言えない平面的なスタイルが特徴だ。引退後の後継車両は、和歌山線向けの新型車両227系1000番代で、紀勢本線では和歌山ー御坊間ですでに走っているが、これが紀伊田辺まで延伸される。

113系はJR東日本やJR東海などでも走っていたが、現在ではJR西日本だけが保有していて、紀勢本線での引退後も、京都地区や岡山地区では引き続き使用される。

●JR東日本 元「スーパーひたち」651系

常磐線の「スーパーひたち」用として1988年末に登場後、1989年から営業運転に就いていた車両で、すでに常磐線から引退したのでは?と思う方も多いと思うが、確かに特急からは引退したものの、実は2017年から常磐線いわきー富岡間の普通列車で使用されている。

常磐線いわきー富岡間の普通列車で使用された651系も定期運用を失う(写真:tarousite / PIXTA)

651系は「タキシードボディ」と呼ばれた白い車体が特徴で、現在の常磐線の特急「ひたち」「ときわ」で使用されているE657系の登場で、2012年に常磐線の特急から引退した。ところが、翌年から「フレッシュひたち」で復活し、E657系を着席サービスに対応させる改造を終えた2015年まで使用され再び引退、このたびの普通列車からの引退で3度目の引退となる。

ただし、2014年から「スワローあかぎ」や「草津」で651系が使用されていて、オレンジのラインが入った651系1000番代は残るので、完全な引退とはならない。

山手線から消えるE231系

また、山手線では新型車両のE235系の投入が終了、2002年から使用されていたE231系500番代が山手線から消える。こちらはダイヤ改正とは無関係で、たまたま時期が重なっただけというのが正解だろう。E231系500番代は中央・総武緩行線に転用され、新宿では山手線の隣のホームから発着している。

今回のダイヤ改正で引退する車両は比較的少なく、前回のタイヤ改正よりはおとなしい。ただ、「スーパービュー踊り子」の251系のように、引退の話が突然降って湧くケースもある。「車両好き」にとってはJR各社の動向から目が離せない。

柴田 東吾 鉄道趣味ライター

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しばた とうご / Tougo Shibata

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR・私鉄路線は一通り踏破したが、2019年に沖縄モノレール「ゆいレール」が延伸して返上、現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。『Rail Magazine』(ネコ・パブリッシング)や『鉄道ジャーナル』など、寄稿多数。

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