兜町で「テクニカル女子」が増えている理由 「老後2000万円」で投資に走る前にすべきこと
続いて行われたのが、同じく国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリストの大谷正之さんによる「中小型株」の見分け方と投資タイミングについて、だ。
まず、時価総額(株価×発行株式数)がおおよそ1000億円以下のものが小型株、1000億〜3000億円以下のものが中型株と言われ、これらの中には成長余地の高い会社が多いという。
実際、成長を遂げた会社として大谷さんが挙げたのが、時価総額約2500億円弱(2019年12月末現在)の寿スピリッツ(2222)だ。実際、2019年3月期の業績は2010年3月期と比べると、売上高で2倍以上、営業利益で3倍以上と目覚ましく成長している。
主に、ドライブインなどでの土産物のお菓子を製造販売する会社だが、昨今はルタオというブランドのチーズケーキなどがテレビに取り上げられるなどでヒットし、空港などで継続的に売り上げを伸ばし、インバウンド効果もあって成長している会社だ。実際、寿スピリッツの週足を見ると、右肩上がりのトレンドを形成している。
では、こうした銘柄をいち早く見つけるにはどうすればいいのか。
「チャートが底で横ばいになっているところで、いつそのトレンドが転換するのか。その底打ちのタイミングを見極めることです。こうしたチャートの節目には何かドラマ(ニュースなどのトピックス)があるもので、それをきっかけに一気に上昇トレンドが形成されることがあります」(大谷さん)。テクニカル分析の初歩の知識があれば、上昇トレンド、下降トレンドへの転換を見極められるようになる。
女性だけで切磋琢磨できる数少ない機会
ほかにも、週足や日足の比較的長期間のチャートで、移動平均線や、サポート(下値支持線)ライン、レジスタンス(上値抵抗線)ラインを引くことでトレンドラインの転換を見極める方法を、具体的な銘柄を挙げながら初心者でも理解しやすいように解説していた。
さらに、投資家が注目しているIPO(新規上場株式)など、成長性の高い銘柄の中から、業績予想とテクニカル分析を交えてさらに成長が期待できそうなものに振り分けていく方法などを紹介し、セミナーは終了した。「テクニカル分析の講座はほぼ9割が男性、というケースが多くて、女性が気兼ねなく参加できる講座があるのがとてもありがたいです。セミナー後の懇親会ではテクニカルに興味のある数少ない女性同士のネットワークができるので、みんなで切磋琢磨できるのもいいですね」(30代女性)など、参加者にはおおむね好評だったようだ。
「テクニカル女子」は、女性投資家の中でもまだまだ少数派。しかし、株式投資に必須のテクニカル分析を女性でも楽しく学べる機会は今後、女性投資家の増加に従い、ジワジワと増えていきそうだ。
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