日産「再建のキーマン」退任で深まる混迷

関・副COOが次期社長含みで日本電産へ移籍

12月2日の新体制発足会見で内田誠社長(左)と握手する日産自動車の関潤・副COO(右)。報道陣を前に経営改革への決意を語っていたが・・・(撮影:梅谷秀司)

12月1日に就任した日産自動車の内田誠社長が掲げた「ワンチーム」は、試合開始早々からスクラムの要を失うことになった。

日産のナンバー3である関潤・副最高執行責任者(副COO、58歳)が近く退任し、モーター大手の日本電産に次期社長含みで移籍することになったのだ。構造改革の実行を担う経営再建のキーマンが離脱することで、日産の経営は再び混迷しそうだ。

生産現場にも精通し、人望が厚かった

日産経営陣の顔ぶれはこの1年、目まぐるしく変わった。2018年11月にカルロス・ゴーン元会長が逮捕された後、事実上のトップに就いた西川廣人前社長も2019年9月、不当な報酬を受け取っていた疑惑が明るみに出て辞任に追い込まれた。その後、指名委員会による選考を経て、内田社長兼最高経営責任者(CEO)、アシュワニ・グプタCOO、関副COOの3人による「トロイカ体制」が発足したばかりだった。

関氏は3人の中で唯一の日産生え抜きだ。防衛大学校を卒業後に入社し、生産技術畑を中心にキャリアを重ねてきた。中国合弁会社の東風汽車有限公司総裁を務めた経験もあり、マネジメントと生産現場の双方に精通した幹部として、社内でも人望が厚かった。

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12月2日の新体制発足会見では、関氏が内田社長とがっちり握手を交わした後、「いま現場と経営層には大きな隔たりがある。これを少しでも埋めるため、3人で努力していく」と経営改革への決意を示していた。

そこからわずか3週間ほどで関氏の退任が明らかになり、社内には動揺が広がっている。本社勤務のある若手社員は、「新体制でようやくこれからという時に、一番頼りになる関さんが退任するなんて。さすがにみんなショックを受けている」と肩を落とす。

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