プロ野球選手集結するチャリティ実現の舞台裏 球団の垣根を越えたどんなイベントなのか

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多くの球界のスターたちからの寄付贈呈式の様子(写真:筆者提供)

2019年12月上旬、世代や球団の垣根を越えて6人のプロ野球選手・OBが都内に集結した。

メンバーは、3年連続日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスの和田毅と千賀滉大、2019年シーズンまで東京ヤクルトスワローズでプレーし、2020年シーズンから東北楽天ゴールデンイーグルスのコーチとなる館山昌平、館山と同じく今季限りで現役を引退し、そのままスワローズでコーチに就任した畠山和洋、今年はシーズン途中の大型契約発表でも話題となったイーグルスの則本昂大、そして、今年キャリアハイとなる29本塁打を記録したオリックス・バファローズの吉田正尚と、球界のスターばかりだ。

6人が参加したのは、球界では初の試みと言われているファンドレイジング(寄付集め)を目的としたイベント「BLFチャリティートーク」である。

プロ野球選手のチャリティー活動をサポートするなど、野球にまつわるさまざまな社会貢献活動に取り組むNPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)」が主催するイベントで、2018年の第1回にも同じメンバーが集まっていた。

拙著『野球で、人を救おう』では、このイベントがいかにして誕生し、選手それぞれがどのような思いで集まったのか、そして、選手たちがこのイベントを通じてどう成長していったのかを描いた。

プロ野球選手以前に、1人の大人として

BLFは2014年の設立から3年間、年に1度のチャリティーオークションを開催し、熊本地震の被災地や、難病の子どもたちの夢をかなえる「メイク・ア・ウィッシュ・ジャパン」などの団体に寄付してきた。

これまでBLFのオークションには80人にも及ぶプロ野球選手・OBが協力し、ある程度まとまった額の支援を送ることもできた。

2019年12月4日に開かれたイベントも盛況だった(写真:筆者提供)

しかし、選手たちはいったんオークション用のアイテムを手放してしまうと「チャリティーに参加している」という実感は日に日に薄くなり、また一方で、落札者による転売リスクにもつねにさらされていた。

何かほかに、選手とファンがより強く思いを共有できる方法はないものかと模索していた2017年オフ、BLF代表の筆者は和田毅と出会う機会に恵まれる。

和田は自身が子どもの頃、お菓子の箱などについていたベルマークや赤い羽根に興味を持ち、それがどんな目的で存在するかを自分で調べたことがあるそうだ。それをきっかけに、プロ野球選手でも会社員でも、将来自分が社会人になったら何らかの寄付をしようとずっと考えていたという。

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