2020年の株価予測でチェックすべき5つの指標

景気の波をつくり出す製造業の動向に着目

では、グローバル製造業PMIの波形は、どうやって作り出されているのだろうか。そこでグローバル製造業PMIを注意深く見ると、一定のパターンがあることに気づく。リーマンショックの大幅な変動が一服した2012年以降で見ると、2012~13年が上昇、2014~15年が低下、2016~17年が上昇、2018~19年が低下、といった具合に多少のズレはあるものの、上昇・下降2年の4年周期のサイクルが見て取れる。

このサイクルの背景にあるのは、製造業の在庫循環、中でも市況変動の激しいIT関連財がその中心であると考えられる(以下では半導体とIT関連財を同意で用いる)。これは世界半導体売上高とグローバル製造業が密接に連動していることから判断して明らかである。要するに世界の製造業に変動を主導しているのは半導体、IT関連財ということになる。

ここまでは世界株とグローバル製造業PMIの連動性、そしてグローバル製造業PMIと世界半導体売上高の関係を整理してきた。こうして考えると株価予想にあたってIT関連財の市況予測がいかに重要であるかがわかる。そこで以下では、IT関連財市況をより早く精緻に把握するにあたって有用な日本の経済指標を3つほど示す。

生産の先行指標として有効な電子部品・デバイス在庫

1つ目は鉱工業生産統計で示される「電子部品・デバイス工業」の「在庫」である。この業種にはIC(集積回路)、コンデンサなど広範な用途に用いられる製品が含まれる。

IT関連財は市況変動の激しい業種であるから、不況期には在庫が急激に積み上がる反面、回復期になると在庫は枯渇気味になるのが通例である。当然のことながら、在庫が枯渇気味(過剰)になれば、メーカーは生産量を増やし(減らし)、業績は急激に改善(悪化)する。生産の先行指標として在庫変動をチェックすることが有効なのは明らかだ。

そのうえで現在のデータに目を向けると、電子部品・デバイス工業の在庫は2018年秋頃に前年比40%程度積み上がった後、2019年夏場にようやく減少に転じた。日経平均株価が9月以降上昇した背景は、この「電子部品・デバイス工業」の在庫減少が大きいと筆者は考えている。過剰在庫の減少は、投資家が最も恐れる業績下方修正リスクを低下させるためだ。

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