「深夜急行」は1日1本、京阪電車の種別の秘密

準急よりも遅い区間急行も存在する

伝統の「鳩マーク」を付けた京阪特急(写真:のりえもん/PIXTA)

日本国内の列車種別は鉄道事業者によってさまざまだ。一般的な「普通」「快速」「急行」など、運行する列車の停車駅によって変わってくるものや、「回送」「試運転」などそもそも営業サービスを行っていないことを表す種別、はたまたかつての小田急「多摩急行」や20周年を迎える阪急「日生エクスプレス」という、地名や街の名前までを冠した種別・愛称も存在する。そんな数多く存在する列車種別の中で、京阪電車の種別はひときわ異彩を放っており、その種別数は11種類と私鉄随一の多さを誇っている。

日本唯一のレアな種別

淀屋橋駅0時20分発という、深夜帯に運行され、この列車のためだけに用意されている行先幕の英語表記は「Midnight Exp.(ミッドナイト エクスプレス)」。あのノンフィクション作家・沢木耕太郎氏の名作『深夜特急』を知ってか知らずか、深夜の旅に出かけようと言わんばかりの、何とも心地のいい響きだ。

この列車は2008年10月19日の中之島線開業に伴い誕生したが、実は「深夜急行」と「通勤快急」は停車駅が同じなのだ。なぜ、このようなややこしいことになっているかというと、通勤快急が大阪方面であるのに対し、深夜急行は京都方面となる。停車パターンは同じであれ、運行する時間帯・曜日も「通勤」とは離れているのでこのような珍しいネーミングになったとも考えられる。

「深夜急行」という冒険心をくすぐるような、ロマンあふれるネーミングの列車だが実際の中身はというと、京阪沿線の乗客の利便性確保のために作られており、終電間際まで働く疲れたサラリーマンやキタ・ミナミで呑んできた酔っ払いたちを夜な夜な送り届けるという、何とも生活に密着した列車だ。

次ページ「準急」よりも格下の「区間急行」
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