リニア静岡問題、JR東海の「挽回策」はなぜ失敗?

他地域では進む工事、「次の一手」はあるか

赤羽大臣の記者会見と同じ11月22日、神奈川県相模原市に設けられるリニア神奈川県駅(仮称)起工式が行われた。リニアは東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県に1つずつ駅が設けられる。神奈川県駅はJR横浜線と相模線、京王相模原線が停車する橋本駅に隣接する形で設置される。

リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)の工事現場周辺の風景(撮影:尾形文繁)

橋本駅北口は高層マンションが立ち並び、「イオン」などの商業施設もある。一方で、南口は駅前にあった県立相原高校が2019年4月に移転し、閑散とした雰囲気だ。この相原高校跡地の地下にリニア新駅が設置される。

新設される中間駅の中では、神奈川県が工事の先陣となる。JR東海の金子社長は、「地上に造られるほかの中間駅とは違い地下に駅を建設するため、早くスタートしたかった」と話す。

期待高まる相模原市

開業後はリニアが横浜線や京王相模原線とも結ばれるため、東海道新幹線の新横浜駅のような利便性が期待される。市はリニア駅の地上部分を再開発して、オフィスビル、商業施設などの一般的な施設を造るだけでなく、宇宙開発、ロボット産業など次世代技術を創造する拠点としても活用したい考えだ。

リニア神奈川県駅(仮称)の起工式であいさつする神奈川県の黒岩祐治知事(撮影:尾形文繁)

「さがみロボット産業特区」を推進する神奈川県の黒岩祐治知事は、「未来の乗り物リニアと、新しい産業であるロボットは相性がいい。リニアが開業する2027年には町中にロボットがあふれるような、日常生活でロボットを体感できるまちづくりをしたい」と希望に満ちた将来像を描く。

相模原市の本村賢太郎市長も「多くの人が相模原の駅で降りたいと思ってくれるようにしたい」とリニアに期待をかける。市民の間には環境問題を心配する声もあるが、知事、市長ともに工事着工を祝い、開業を心待ちにしている。

それから4日後の11月26日には岐阜県内を走る日吉トンネルの建設現場が報道公開された。駅の建設現場やトンネル作業坑が公開されたことはこれまでにもあったが、リニアが走る本線トンネルの公開は今回が初めてという。

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