今年は2000億円突破?スマホ広告の現在地 スマホ広告国内最大手のトップに聞く

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――今年のスマホ広告市場の見通しは?

2304億円まで伸びると予測しています。1年前の時点では2000億円台の到達は2016年と想定していましたが、2年早まりそうです。

広告主のスマホ対応がより一層進むことが予想されます。特にスマホゲーム市場の伸びが尋常ではありません。海外のゲーム会社、たとえばスーパーセルなどが日本市場にかなり注力していて、その流れが今後も続きそうです。スマホ広告の半分弱ぐらいがゲーム広告です。

スマホの特性を生かす

――それ以外では、どんなトレンドが?

スマホの画面領域を生かした全画面のインタースティシャル広告(ページ遷移の間に出る広告)に注目して、出稿する広告主(クライアント)は増えています。また、スマホ広告市場で最も大きいのが、検索に連動するリスティング広告(検索連動型広告)です。2013年のリスティング広告市場は854億円と、前年から7割近く伸びました。

リスティング広告は、検索するキーワードと場所や時間などを連動した広告を表示できます。スマホは、ユーザーが寝る直前にも見ていますよね。そこにもアプローチできます。また、大手事業者により広告配信プラットフォームの大幅な仕様変更が行われ、広告主はPCやスマホなど複数のデバイスに対して、一括で広告配信をできるようになりました。これで需要が促進された面があります。

市場規模はリスティング広告に及びませんが、2013年に652億円と前年比で2.7倍に拡大したのがディスプレイ広告です。国内外のゲームや大手小売・飲食チェーンなどのO2Oのプロモーション需要が旺盛で、これらの広告主の特性に合わせた需要に対応する、新たな広告商品の提供が進みました。ソーシャルメディアのバナーやタイアップ広告、動画広告の需要も急増しています。

――スマホで動画広告は有望でしょうか。

動画は少しずつ出てきています。大手メディアも開発しています。景況感もよくなってきて、出稿意欲が出てきて、二の次、三の次だった会社が試したいというのが増えてきています。

やまうち・たかひろ●1983年生まれ。2006年サイバーエージェント入社。 行動ターゲティング事業のマイクロアドなど、複数の子会社立ち上げを経験。 09年CyberZを設立し、社長就任。 12年10月、29歳のときにサイバーエージェント取締役に最年少で就任。 現在、スマートフォン広告事業を管轄

――ガラケー広告は?

ガラケー広告は落ちていきます。正確な数字はないものの、広告市場の規模という点でいえば、すでにスマホ広告はガラケー広告を上回っています。

――CyberZは、スマホ広告市場が2016年に3000億円を突破するという予測を立てていますね。

スマホの普及台数の拡大とともに、デジタルコンテンツやeコマース市場の成長に沿って、今後も中期的に高い成長率を維持すると予想しています。

新しい技術を活用した、より精度の高いターゲティング手法の普及や、動画広告市場の拡大をはじめとして、市場の活性化につながる従来にない広告商品の登場などがあれば、現時点の予想を上回る可能性もあります。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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