とんねるずの「音楽活動」を軽視する人の大盲点 「悪ふざけと真面目さ」両立させた奇跡の歌手
2つ目は、テレビ番組などの企画物として歌を歌ったりする場合だ。地上波テレビに今よりも勢いがあった80〜90年代には、バラエティ番組から多くの音楽ユニットや楽曲が生まれていた。番組内で「オリコン○位以内に入らなかったら解散」というような企画が行われることも多かった。
3つ目は、芸人としての本業とは別の形で音楽をやる場合だ。ビートたけしや明石家さんまのような80年代に爆発的な人気を博した芸人は、一種のアイドル的な存在として人気を博していた。そんな彼らはコミックソングではないシリアスな曲調の楽曲を歌ったりしていた。
この分類で言うと、とんねるずの音楽活動は、2つ目と3つ目の混合で成り立っている。彼らが実質的な歌手デビューを果たしたのは、1984年にシングル『一気!』をリリースしたときである。
「勢いに任せた曲」が異例のヒット
当時の彼らは今で言うEXITや宮下草薙のような、血気盛んな若手芸人のうちの1組だった。素人の女子大生を起用した伝説の深夜番組「オールナイトフジ」(フジテレビ系)に出演していたとんねるずは、自分たちが高卒であることをネタにして、女子大生たちを相手に嫉妬交じりの怒りをぶつけて暴れていた。
そんなとんねるずが勢いに任せてリリースした『一気!』は、彼らも想像していなかったようなヒット曲となり、この曲を引っさげて当時の人気番組「ザ・ベストテン」(TBS系)にも出演を果たした。ここからとんねるずの華々しい音楽活動がスタートした。
1985年にリリースされたムード歌謡テイストの『雨の西麻布』はオリコン5位の大ヒットとなり、とんねるずは人気歌手の仲間入りを果たした。その後、彼らはさまざまなタイプの楽曲をリリースするようになった。
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