「法務部門で働きたいのですが・・・」(22歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
処方箋:『会社名ではなく仕事内容で選ぶ時代』
では具体的にどうすべきか。
まずは一通りの会社を、勉強もかねていろいろと受けてみてください。その中にはきっと、熱心な法務志望者を人知れず探している企業もあるはずです(逆に、法務募集と明記している会社は、ものすごい競争倍率となっているはずです)。
ただし、スムーズに内定がとれるとはかぎりません。あなたの面接での評価と、大学時代のすごし方が厳しく問われるはずですから。
ただ、幸いなことにあなたの場合、「業種はこだわるが会社は問わない」というスタンスです。ここは大手だけではなく、中小企業も視野に入れて就職活動をすべきでしょう。そこならあなたが希望通りの業務を担当できる可能性もぐんと上がるはずです。
そして、即戦力としてのキャリアを何年か積んでから、改めて自分の働きたい業種、企業を考えてみればよいのです。実はこっちのほうが法務で活躍する近道かもしれません。
最後にひとつ。現在、若者にもっとも求められているのは、「就社ではなく就職」という発想です。会社名や業種ではなく、自分の担当する業務内容で就職先を選ぶという考えですね。一つの会社が、出世や終身雇用というキャリアパスを必ずしも保証できなくなった今、自分のキャリアは自分で維持する必要があるわけです。
このあたり、学生の間に深く志望するのはなかなか難しいものですが、あなたはスムーズに動機が形成されていると言えるでしょう。これはとても良いことだと思います。どの業界に進もうが、自分のキャリアを針路として働くことを心がけていれば、将来も道に迷うことはないはずです。
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