「虎党」の鉄道マンが作った驚きの路線図アート 遊び心の中に込めた「公共デザイン」の神髄

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大森さんの年賀状デザインは毎年、タイガースにちなんでいる。2006年の年賀状をデザインするにあたり、大森さんは思いついた。「虎マークは80年以上前にデザインされたにもかかわらず、今見てもまったく古びていない。虎のデザインを路線図で表現できたらすばらしい」。完成までに2週間程度を要したが、選手や監督の名前をどうやって入れるかを考えるのは非常に楽しい作業だったという。

今年4月、大森さんの「路線図」は別の形で多くの人をうならせた。第1作の公開から今年で50周年を迎え、新作も公開される「男はつらいよ」シリーズ。映画を製作する松竹は、50周年を盛り上げるためのイベントとして、優れた「男はつらいよ」のイラストを表彰する「男はつらいよ ファンアートコンテスト」を開催した。

虎と寅が共通しているからというわけではないが、大森さんは大の寅さんファン。得意の路線図を使って、寅さんのイラストを描き、このコンテストに応募したところ、見事最優秀賞を勝ち取った。

「寅さん」を路線図で表現

受賞作品は「寅さんの50作を路線図で表現しました」と、大森さん。虎マークの路線図同様、寅さんの路線図も駅名の代わりに50作の題名が記載されている。

路線図で寅さんの顔が表現されているのは見事というほかないが、公共デザインの専門家である大森さんが最も注目してほしい点は、男はつらいよの舞台となることが多い常磐線、京成線、山手線などが、実際の路線に比較的忠実に描かれている点だという。加えて、江戸川を路線図に描き込んだ点についても注目してほしいという。

「寅さん」を描いた路線図。駅名は作品名になっている(写真:大森正樹)
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