「有名人の政治的発言」が叩かれる日本のゆがみ 「遊戯王」作者もインスタグラムで滅多打ちに

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豪邸を所有する彼ら彼女らはまた、自宅を候補者の選挙資金集めパーティーの会場に提供したりもする。前回の大統領選では、ジャスティン・ティンバーレイクとジェシカ・ビール夫妻宅でヒラリー・クリントンのためのパーティーが行われた。

また、今年5月には2020年のアメリカ大統領選の民主党候補であるピート・ブティジェッジのためのパーティーがグウィネス・パルトロウ宅で行われ、ロブ・ライナーやマーティン・シーンらの大物が出席している。

若い人たちも負けていない。2016年に投票できる年齢に達したクロエ・グレース・モレッツは民主党大会の舞台に上がり、同世代にヒラリーへの投票を呼びかけたし、マイリー・サイラスも積極的だった。昨年の中間選挙の時期には、遅ればせながらテイラー・スウィフトも政治的発言を始めている。

政治に無関心は「頭が悪い」と同意義

ハリウッドではマイナーな存在である共和党支持者も、同様だ。過去にカーメル市長を務めたこともあるクリント・イーストウッドは、テレビのインタビューで、自分と違いヒラリーは政治を金稼ぎに使ったと批判し、自分はむしろトランプを支持すると発言した。

誰もが政治について発言する状況なため、まれに何も言わないセレブがいると、逆にどうしたのだろうと思ってしまうくらいだ。先に述べたスウィフトは、保守が強い地域にファンが多いせいかと臆測されていたが、最近になって、「あまり知らなかったから(もっと政治を)わかってから発言したかった」と、これまで黙っていた理由を説明している。

彼女をめぐるケースが示すように、何も言わない人はおそらく、「反感を持たれるのが怖い」か、「知らない、関心が薄い」のどちらかだろう。どちらもいいイメージはもたらさない。

自分の人気、つまり個人的利益を重視して社会のために重要なことを言わないでおくというのは、自己中心的で視野が狭いように見えるし、政治のことを知らない、関心がないというのは「自分は頭が悪い」と言っているようなものである。

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