夏野剛氏の社外取締役、兼任6社は多すぎないか ディー・エル・イーで不正な会計処理が判明
夏野氏は少なくとも上場企業7社の社外取締役をしている。夏野氏の出席率は87.5%~100%で、議決権行使助言会社が再任に反対を推奨する「75%未満」は上回っている。
だが問題は、夏野氏がDLEの不正を見抜けなかったことを他社の株主がどう考えるかだ。
社長業に大学教授、負担感は本当にないのか
夏野氏の兼任先のうちUbicomホールディングスは任期満了後に再任されず、6月26日に退任することが決まっている。一方、日本オラクルは今年8月、グリーは同9月、USEN-NEXT HOLDEINGSは同11月に定時株主総会を予定しており、夏野氏はこれら3社の改選期にあたる(3社とも任期は1年)。
これら3社が夏野氏を再任するのであれば、セガサミーと同様、夏野氏が社外取締役を務めるDLEで不正会計があったこと、その不正会計を防げなかったことを招集通知書に記載しなければいけない。2020年に改選期が到来するトランスコスモスについても同様だ。しかも、会社法施行規則によれば、不祥事が起きてから5年間、すべての兼任先で不正会計があったこと、それを防げなかったことを記載し続けなければならない。
夏野氏は今年2月にドワンゴの社長に就任した。このほかにも慶応義塾大学の特別招聘教授、非上場企業のNTTレゾナントの社外取締役、ムービーウォーカーの会長も兼任している。東洋経済による1年前の取材で夏野氏は「どれも知見のある業界だ」として、社外取締役の兼任が多いことによる負担感はあまりないと話していた。
しかし、不正会計を見抜けなかった以上、夏野氏がDLEの社外取締役として十分機能していたかといえば疑わしい。兼任が多すぎて時間的に余裕がなかったから不正を見抜けなかったのではないかと言われても仕方がないのではなかろうか。
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