アマゾンがついに「自前物流」構築の衝撃 配送業者に「契約打ち切り」の恐怖が広がる

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アマゾンが2018年11月から日本で始めた配送プラットフォーム「アマゾンフレックス」(記者撮影)

両社の関係が変化したことを示したのが、ファイズの業績下方修正だ。2019年3月期の実績は赤字こそ避けられたが、創業以来初めて営業減益となった。要因の1つが、宅配を行うデリバリーサービスにおける大型案件の終了だった。ファイズは「顧客との契約内容については答えられない」とするが、物流関係者は「アマゾンからデリバリープロバイダの契約を打ち切られたからだろう」とみる。

アマゾンのデリバリープロバイダの1つである丸和運輸機関の和佐見勝社長は、「配送の品質が悪ければ、(荷主から)契約を打ち切られることは当然ある」と話す。

「アマゾンとの契約期間は基本1年間。ファイズは軽貨物車を用いた宅配業務に進出してからまだ日が浅く、アマゾンは顧客からのクレームが多いことに業を煮やしたのではないか」と指摘する運送会社の幹部もいる。アマゾンとファイズとのデリバリー契約が終了した時期は2018年末と見られている。

昨年11月から始まったアマゾンフレックス

時を同じくしてアマゾンが始めたのが、「アマゾンフレックス」という新サービスだ。アマゾンが個人事業主のドライバーと直接業務委託して配送する。2018年11月から東京都と神奈川県でサービスを展開し、現在は愛知県での募集を始めている。

アメリカでは2015年から始まり、日本を含め現在6カ国で展開している。アマゾンフレックスは軽バンなどの軽貨物車を保有している個人事業主を束ねるプラットフォームであり、不特定多数の人を募るクラウドソーシングという点では、配車アプリの「ウーバー」などと仕組みは近い。日本では始まっていないが、アメリカでは徒歩で配達することもできる。

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