私の青春時代、と言っても40年前になるが、コンパは新入生歓迎とか卒業とかで、合コンなるものはなかった。新しい出会いはダンスパーティくらい。それがいまではゴルコンまであるという。
茨城のゴルフ場のゴルフコンパは、各組男女2名ずつが楽しくプレイするらしい。独身が条件で、男は50歳、女は40歳以下のハードルはあるものの、シングル、アベレージ、初心者のオールカマーだ。男が50歳の初心者でもよいのかと尋ねたら、OKとの返事。交際の実は結ばないかもしれぬが、可能性だけは残っている。まあ、無理だと思うが。
気になる参加費はパーティ、賞品込みで、男1万7800円、女5800円。特に女性には送迎バスまであるらしく、普段のゴルフより、むしろ安上がりで、気軽な参加が可能だ。それにしても男女間の1万円以上の格差はなぜなのか。合コンと名が付くと、必ずと言っていいほど男の参加費は倍になる。
もともと、見合いパーティや合コンに男は集まるが、女は少なかったのだろう。しかし、このゴルフ場のコンパには男女各60名が参加。しかも定期的に開催しているそうだ。和気あいあいとプレイを楽しみ、後日のラウンド、練習、揚げ句はデートの約束までして別れるとか。当然、電話番号やメールアドレスの交換はもちろんのこと、いきなり自宅まで送る猛者もいるらしい。
いったい、ゴルフをなんと心得るのか。初心者で女連れなどもってのほか。後続の組に迷惑をかけてはならないのが最低限のマナーだ。一所懸命練習場でボールを打ち、先輩のお許しを頂戴してからコースへ。そして、クラブを数本持って走り回る。スコアだって80台が出たら、やっと同伴女性を教えられる、といった暗黙の了解事項があったのでは。ところがどっこい、こんな私は古すぎる。「頭、固いんじゃないの」「バッカな親父」と後ろ指を指されるのが関の山。いまやゴルフは女性を口説く手段になっているんだそうだ。
「へえ、小倉さんシングルなんスか。モッテるでしょうね」。馬鹿野郎! 俺たちは女にモテるために、どれだけ努力をし、血を吐くほど練習し、女房に逃げられそうになりながらカネを使ったと思っているんだ。男の勲章背負ってゴルフをやっているんだ。お前たち若造にそれがわかるか。
と言ってやりたいのだが、言えない自分が悲しすぎる。会社の役員用のコースを持たされ、接待ゴルフで上手になった。だが、リストラの身の上で、年金が頼りではゴルフもままならない。週一ゴルフが月一から2カ月一度と数を減らし、回る相手は団塊世代の年寄りばかり。たまに、女性が一緒と、胸を躍らせコースに行けば、エステに行っても手遅れなおば様たちがお相手。
もう、若者を罵倒しませんから、ゴルフ合コンの年齢制限を、既婚者可、80歳以下ぐらいにしていただけませんでしょうか。
1947年秋田県生まれ。東京12チャンネル(現テレビ東京)アナウンサー出身。76年フリーに。現在は『とくダネ! 』(フジテレビ系)や『嵐の宿題くん』(NTV系)、『小倉智昭のラジオサーキット』(ニッポン放送)の司会を務めるなど、幅広く活躍中。
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