30代妻が「もう花束には喜べない」と歎くワケ 「伴侶のニーズを満たす4カ条」とは?

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さらに、多くの場合、本人も自分のニーズが明確にわかっていることは少ないのです。秋帆さんも言葉では「自分のことを大事に思ってくれていると実感したい」とは言っていませんでした。私が秋帆さんの言葉を要約するとそうなる、ということです。現実に、ご本人が言っているのは別の言葉です。結婚前に同居していた時代には

「(私が料理したんだから)食器を洗うのぐらいやってよ!」

というようなことがしばしばあったそうです。本当に食器洗い(または他の家事も)がしてほしいだけなら、食器洗い機やお掃除ロボットを買ったり、お手伝いさんを雇えば問題は解決するはずです。それで多少は秋帆さんのストレスを緩めるかもしれません。しかし、究極のところ、博隆さんに

「じゃあ、僕のお金でお手伝いさんを雇うから、家事の僕の分担は全部お手伝いさんがやるということでいいよね?」

と言われたら、秋帆さんがすっきりするとは思えません。

つまり、食器洗いという行為をすればいいのではなく、秋帆さんは自分が大事に思われていると実感したくて、その方法として、食器洗いを手伝って大変さをシェアしてほしいということかもしれません。もしかしたら料理が苦手なのに博隆さんのために頑張っていることを認めてほしいのかもしれません。そのツボがなんなのかは、その人次第、場合によってはその時次第です。

知らなきゃもったいない!夫婦間の新事実

本人が語ってもいないことをわかるはずない、と言ってしまえば、2人の関係は今までとは変わりません。わかるように、わかるまで、興味をもって観察する、というのが必要なことです。それが、別の言葉でいえば、寄り添うということです。

 飛行場で働いている友人は、飛行機の音を聞くだけで、○○社製のなんというエンジンだ、と言い当てられます。新生児室に勤めていた知人のナースは不妊治療などで周りから待望されて生まれた子は泣き声でわかる、と言っていました。両方とも私には何がどうやったらそんなことがわかるのか想像もつきませんが、興味をもって観察するというのはそういうことだと思います。

 恋愛初期は、多くのカップルが、相手のことをそのくらいの勢いで観察していると思います。しかし、いつの間にかルーチンになってしまいがちです。飛行機のエンジン音や赤子の泣き声と同じように、興味を持たずに接していると、その奥深い面白さには気づくことができないままになってしまいます。自分が選んだパートナーの奥深い面白さに気づかないまま過ごしてしまうというのは、とてももったいないことでないでしょうか。

 花をあげても以前は喜んだのに今は喜ばないという現象から、実は妻は、切り花は花がかわいそうに感じて、心が痛むような優しい気持ちの持ち主なんだということや、それなのに交際当初はそんなことを忘れてしまうほど自分のプレゼントが嬉しかったんだ、という新事実が分かることはとても幸せなことだと思います。それを巷間よくいわれるように「愛情が減った」と思いこんでしまうのは、とてももったいないことだと思います。

(文/西澤寿樹)

※事例は事実をもとに再構成しています

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