子どもが学校を休むのは「本当の限界」です 年間30日間欠席で不登校と言うけれど…

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こうした身体症状を伴っていたとしても、休み始めたときは、まさか不登校になるとは周囲も本人も思えません。

休み始めがチャンス?

こんなとき先生方は「成長のチャンス」だと捉えるケースが多いようです。つまりなんからの心理的な負担はあるけれども「これを乗り越えたら成長できる」と。

教員からその旨を教えられると、「そういうものなのか」と保護者も思うはずです。そこで教員と保護者がいっしょになって登校を促すと、じつは決定的な不信を生む種になることが少なくありません。

というのも、子どもはつらいことをできるだけ隠そうとします。それでも、身体症状が出るということは、負荷に耐えきることが困難になり、SOSを出さざるを得ない状態になっています。

休み始めたということは「不登校の初期段階」を越えて、すでに十分乗り切ろうとがんばった結果である、ということです。

「教育機会確保法」における「休養の必要性」の意義はここにあるように思います。休む必要があるのです。

どうしても学校では「学校復帰の早期対応」が求められます。でも、「誰にでも起こりうる」ことなら、そんな対応策が本当に子どものためになるのか、そもそも「問題行動」ではないのだから、もう少し慎重になってもよいのではないかと思います。

一方、不登校の未然防止もよく言われますが、それはいかに休ませないようにするのかではなく、いかにうまく休みを確保できるかということではないかと思います。

そのためには、子どもの周囲にいる人が、日々どのような関係を築いてきたのかがとても大事になります。

また、それが出会いというひとつの教育であり、その関わりやつながりが子どもにとって大切な学びになりうると思うのです。(庄司証)

庄司証(しょうじ あかし)80年生まれ。「函館圏フリースクール すまいる」代表。不登校・高認・進学支援にとり組んでいる。元大学非常勤講師。

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