あえて「古いボルボ車」を売るディーラーの正体 フルレストアから修理、車検まで幅広く対応

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ボルボの往年の名車たち(撮影:クリハラジュン)

クラシックガレージと聞くと、古いモデルを丸裸にして何百万円もの大金を投入し、ピカピカにフルレストアする……というイメージがあるかもしれないが、実はちょっとした一般修理から通常の車検まで、ユーザーの要望に合わせて柔軟に対応してくれる。そのため、2016年8月の立ち上げから昨年までですでに200台を超えるボルボが入庫しているそうだ。

レストアに関してもユーザーにヒアリングをし、予算に合わせたプランを提案してくれる。そのため、無理のない範囲、自分のペースで愛車を仕上げることができる。こういう点もディーラーならではのきめ細かなサービスである。

クラシックガレージが手がけた車両たち

今回は実際にクラシックガレージが手がけたレストア車両に乗る機会に恵まれた。当日会場に用意された試乗車は、1970年式アマゾン、1973年式P1800ES、1993年式240ワゴン、1996年式940エステートの4台で、P1800ESのステアリングを握ることができた。

ボルボ「P1800ES」の運転席(撮影:クリハラジュン)

当日はあいにくの雨模様にもかかわらず、エンジンはぐずることもなく一発始動。アイドリングもビシッと安定し、45年以上前のモデルとは思えない好調ぶりを見せてくれた。パワーアシストの備わらないステアリングはパーキングスピードこそ重く感じるが、タイヤが転がりだしてしまえばそれほど苦にならない。ミッションもイージードライブのオートマチックだったため、これなら日常的に使うことも夢ではないと思える仕上がりだった。

また、当日用意された240ワゴンは348万円、940エステートは238万円(共に執筆時点の本体価格)で実際にクラシックガレージで販売されているもの。価格だけを見ると高く感じるかもしれないが、当時の新車のようなフィーリングに仕上げられており、ここまで仕上げる費用を考えれば決して高いとは言えないところ。「ここから20年乗っていただけるように仕上げました」というスタッフの言葉に偽りはないだろう。

このようにクラシックガレージが仕上げたボルボを手にしてもいいし、今所有しているボルボを入庫させても、入庫させるために中古のボルボを買ってもいい。クラシックボルボには多くの夢と選択肢があることを再認識した試乗であった。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

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こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

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