韓国政府は日韓関係の破壊を黙認するのか 徴用工判決、慰安婦財団解散に続く竹島上陸

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「韓国は暴走している」

11月26日に議員会館内で開かれた「韓国の不当判決に抗議する緊急集会」で、自民党の新藤義孝衆議院議員はこう述べた。新藤氏は11月21日に憲政記念館で開かれた「竹島問題の早期解決を求める東京集会」で、過去に竹島に上陸した国会議員ひとりひとりに宛てて質問状を送ったものの、まったく回答がなかったことを明らかにしている。

「実は今の大統領の文在寅さんが竹島に上陸したときも、質問状を送っているんですが、返事はありませんでした」

文氏は大統領就任前の2016年7月25日に竹島に上陸している。2012年12月の大統領選で朴槿恵(パク・クネ)前大統領に敗れた文氏は、2016年4月の総選挙には出馬せず、次期大統領選を狙っていた。実際に同年10月に文氏は大統領選出馬を事実上表明しており、この時の竹島上陸の目的が「国民の人気を得るため」であったことは明らかだ。

韓国側で相次いでいる暴挙に、自民党政務調査会、外交部会、外交調査会、領土に関する特別委員会は11月26日、連名で「韓国国会議員の竹島上陸に対する緊急非難決議」を採択した。同決議は竹島問題に限らず諸問題について韓国政府に猛省と対応を求めるだけでなく、日本政府にも単なる抗議や遺憾表明にとどまらない強力な再発阻止に取り組むことを強く要請するものだ。

米国の意向に配慮せざるをえない日本

同決議文は同日夕方に河野太郎外相に手渡されたが、この度の韓国国会議員らの竹島上陸を事前に察知していた外務省は、11月21日と26日に東京で金杉憲治アジア大洋州局長から金敬翰(キム・ギョンハン)次席公使に対し、ソウルで水嶋光一韓国大使館総括公使から金容吉(キム・ヨンギル)韓国外交部東北アジア局長に対し、それぞれ抗議したにすぎず、河野外相も在韓日本大使の一時帰国などの対抗措置は考えていないという。

普段ならかなり強く発言する河野外相が韓国との問題では及び腰なのは、その背景に米国の思惑があることは間違いない。アメリカ国務省は11月23日に声明を出して日韓の連携を促したが、バラク・オバマ政権時にはジョン・ケリー国務長官(当時)が日韓慰安婦合意に歓迎の意を示している。要するにアメリカは日韓関係に波風が立たないのならそれでいいのであって、両国の問題の深層には立ち入らないという方針だ。

しかし内に爆発の火種がくすぶり続けたままの友好関係でいいのか。何度抗議しても繰り返される竹島上陸、両国が合意した日韓請求権協定を覆す元徴用工賠償請求判決、そして慰安婦問題日韓合意の一方的な事実上の破棄など、韓国側の度重なる不義理に日本政府はなす術がない状態に見える。

「自国の領土を守ろうとしない国民は、世界から尊敬されない」

26日の会合で新藤氏はこう述べた。竹島のみならず尖閣諸島や北方領土など、日本をとりまく問題は多く、そのいずれに対しても真摯に向き合い、最善の方策を探りながら取り組んでいくことこそ、将来への禍根を最小限に抑える道だろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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