超金融緩和策で復活する、ハンガリー 来日中のオルバン首相は、アベノミクスの強い味方

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「アベノミクス開始」から約1年が経過。ハンガリーもアベノミクスを支持している(撮影:梅谷 秀司)

首相に近い中央銀行総裁に交代、日本と「酷似」

ハンガリーのオルバン首相が11月20日に来日、23日まで滞在する。「安定政権」「返り咲き」という共通点を持つ安倍晋三首相と会談するほか、以前よりハンガリーに進出している日本の企業を訪問する。

現在、ハンガリーは東欧「V4」(ヴィシグラード4の略。ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアの4カ国)の議長国でもあり、去る6月のワルシャワでのV4会議の際にもV4首脳と安倍首相が会談した。その時にも話題になった、V4、ハンガリーへの日本のエネルギー協力、ハンガリーとの2国間当局間の投資協定などが話題になっているものと思われる。日欧EPAの推進にもオルバン首相は支持を表明。また直近の11月にデリーで行われたASEM外相会談でも、実はV4プラス日本の枠組みで外相会談が行われ、地ならしが行われてきた。

また、当オンラインに以前も書いたが、日本、ハンガリーともに、3月に中央銀行総裁の任期が満期を迎え、抑制的な金融政策を採とっていた総裁から、政権とスタンスが近い総裁が就任。一気に拡張的な政策を採り出したという共通点がある。

現在のハンガリー中央銀行の総裁は、マトルチ前経済相のマトルチ氏である。日本銀行が「黒田バズーカ」で世界を驚かせた頃、ハンガリーでも、4月からFGS(Funding for Growth Scheme、成長のための資金計画)を打ち出し、3つの柱を示した。

次ページハンガリー版「成長戦略」の「3つの柱」とは?
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