再建半ば雪国まいたけ、創業社長辞任の波紋 不適切会計の理由は「強すぎるリーダーシップ」

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公表した社内調査委員会の調査報告書によると、不適切な会計処理とされたのは、①滋賀県で工場・物流センター用に取得した土地関連費用の資産計上方法、②減損が必要な一部事業用資産の減損処理をしなかった、③2012年3月末までに計上すべきだった広告宣伝費を、2012年3月期から2014年3月期にわたって計上した、の3項目。これに伴い同社は、11月14日に予定している2014年3月期上期決算発表までに過年度決算の修正を行う。

3期ぶりの黒字復帰の見通しだが

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創業者でオーナーの大平喜信社長(撮影:梅谷秀司)

修正をすると、一株当たり10円(創業30周年記念配6円含む)の配当を行った2012年3月期の配当可能剰余金はゼロとなり、配当総額1億3300万円は全額違法配当の状態になっている、と報告書は指摘している。

雪国まいたけは、もともと業績悪化で財務体質が大きく毀損している。健全経営の指標の一つである純資産比率は2014年3月期第1四半期末で4.4%とされていたが、修正後は、0.9%と限りなくゼロに近づく。

今期は3期ぶりに黒字復活する見通しで、会社計画で営業利益18億円、最終利益10億円を目指している。前期、前々期とも下落が続いたマイタケ、エリンギ、ブナシメジの価格が反転しており、上期の赤字幅は当初予想よりも圧縮できる見込み。鍋物の具材としてキノコ販売の需要期となる下期(10月~2014年3月)に向けて久々に明るい兆候が見えてきたところだっただけに、まさに冷や水を浴びせる事態となった。

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