「調査報告書はみずほ銀の主張をなぞっただけ」 郷原信郎氏に聞く「みずほ銀行の問題点」
九州電力の第三者委員会・委員長や不二家の信頼回復対策会議長を務めるなど、コンプライアンス問題に詳しい郷原信郎氏に、みずほ銀行の問題を聞いた(本インタビューは週刊東洋経済11月9日号掲載の緊急ルポ「みずほ、終わらない危機」の一部です)。
──複数の第三者委員会を経験した立場から、今回の報告書をどう見たか。
今回、(みずほ銀行が金融庁に業務改善計画書を提出する)10月28日という期限があり、そこに間に合わせることが大前提だった。だが、常識的に考えても、これだけの問題を20日間で調査するのはかなり厳しい。
報告書によると、コンプライアンス担当者の判断が甘く説明も不十分で、役員会で問題意識を持った議論が行われなかった。そして、システム障害もあって、問題認識が引き継がれなかったということで終わっている。当事者の当たり障りのない言い分をそのままなぞっただけ。独自に調査して明らかになった点が、あまりうかがえない。
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