トルコリラ、燻り続ける「売り圧力」

中銀の流動性供給策などで一時下落に歯止め

8月13日、トルコ中央銀行が金融システムへの流動性供給策を発表したことなどを受け、トルコリラは13日の取引で付けた過去最安値からは一時上向いた。ただ売り圧力はなお存在しており、トルコリラ急落による世界的な金融市場への影響は続いている。写真は2014年1月、イスタンブールで(2018年 ロイター /Murad Sezer)

[イスタンブール/アンカラ 13日 ロイター] - トルコ中央銀行が金融システムへの流動性供給策を発表したことなどを受け、トルコリラは13日の取引で付けた過去最安値からは一時上向いた。ただ売り圧力はなお存在しており、トルコリラ急落による世界的な金融市場への影響は続いている。

エルドアン大統領の金融政策などへの影響が主な懸念要因となり、トルコリラは年初から対ドルで40%を超えて下落。前週10日には最大18%下落し、トルコへのエクスポージャー懸念から欧米の株式市場でも売りが広がった。

アナリストは、景気の過熱、および2ケタ台に載せているインフレ率の引き下げに向けトルコが利上げを実施していないことがこうしたことの背景にあるとし、こうした危機的な状況が発生する下地はかなり前から存在していたと指摘している。

こうした中、トルコ中銀はこの日、リラ建ての預金準備率をすべての期間に対し250ベーシスポイント(bp)引き下げるとともに、非中核的な外貨建て債務に対する預金準備率を期間3年までを対象に400bp引き下げたと発表。これにより約100億リラ、60億ドル、30億ドル相当の金の流動性が金融システムに供給される。

このほか、関係筋はこの日、ロイターに対し、中銀が流動性供給に向け翌日物貸出金利を用い、水準は19.25%と、1週間物レポレートの17.75%よりも1.5%ポイント高くなる見通しであることを明らかにしている。実現すれば、利上げではなくコリドー(金利レンジ)を利用した金融引き締めへの第一歩となる。

これに先立ち、トルコのアルバイラク財務相は、市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したことを明らかにし、13日から実行すると表明していた。

リラ<TRYTOM=D3>はアルバイラク財務相の発言や中銀の流動性供給の発表を受け下げ幅を縮小したが、その後再び下落。1609GMT現在、1ドル=6.978リラとなっている。

市場ではアルバイラク財務相の発言は歓迎されたものの、具体的な行動が必要との見方が出ている。

クレディ・アグリコルの新興国担当シニアストラテジスト、ギョーム・トレスカ氏は「トルコは 経済・ビジネス計画を完全に再均衡化させ、大幅な利上げを実施する必要があるほか、中銀の独立性に対する強力なコミットメントを示す必要がある」と指摘。ただトルコ企業に大きなマイナスの影響が及ぶ可能性があることから大幅な利上げが実施される公算は小さく、資本規制によりすでにドル不足に直面している企業の外国為替へのアクセスが制限される恐れもあるとの見方を示した。

日興アセットマネジメント・ヨーロッパの新興国担当首席ポートフォリオマネジャー、ラファエル・メレチャル氏は、トルコ経済に内在するストレスを踏まえると利上げで事態が悪化する恐れがあるとしながらも、「利上げを実施すれば、国外の投資家、および市場に対し中銀がインフレを懸念しているとのメッセージを送ることになる」としている。

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