「イタリア鉄道」フランス殴り込みで汚名返上 「遅れる・汚い」印象を払拭できるか
イタリア鉄道のフランス国内子会社テッロ(Thello)社のCEO、ロベルト・リナウド氏は今年3月21日、2020年からフランスを基点とする2つの国際ルート、パリ―ミラノ間およびパリ―ブリュッセル間で、高速列車を運行させる予定があると語った。同氏が、パリ・リヨン駅で開催されたプレス・カンファレンスにおける記者へのインタビューで答えたものだ。
同社はまた、フランス国内への参入も視野へ入れており、その最初の区間としてパリ―ボルドー間の運行も検討している。もし好評であれば、それ以外の区間へも参入することが予想される。
フランス国内に殴り込み
パリ―ミラノ間は、現在フランス国鉄(SNCF)の高速列車TGVが1日3往復運行されており、パリ―ブリュッセル間は乗り入れ各国の鉄道会社が共同出資する「タリス」による高速列車が、曜日によって多少異なるものの平日はおおむね20往復運行されている。タリスはSNCFがシェア62%を保持しており、実質的には主導する立場にある。そのような、言ってみればSNCFの縄張りでもある場所に、イタリアから殴り込みをかけようというのだ。
EU内では、各国において列車運行を自由に認めるオープンアクセス法の制定により、それまで各国の国鉄が独占していた列車運行事業に民間企業が参入するのは決して珍しいことではない。ドイツでは、高速バス事業で急成長したFlixBusが鉄道事業へ進出、チェコはチェコ鉄道以外に、レギオジェットとレオ・エクスプレスという2社が参入、特にサービス面などで各々が独自色を出し、しのぎを削っている。
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