ソニーの「プロ向けミラーレス」が伸びた理由 欠点を克服しメリットが認められた

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ソニーの製品ラインナップを見ても、プロやハイアマチュア向けを狙っているのがわかる。

現在のソニー製カメラで一番高価な製品は、2017年5月に発売した「α9」だが、同製品はボディだけで49万8880円かかる。キヤノンのフラッグシップモデルが67万8000円、ニコンが69万5000円なのと比べるとまだ安価だが、大のカメラ好きでなければおいそれとは出せない金額だ(いずれも各社オンラインショップ価格)。

ミラーレスで唯一の「フルサイズ」

ソニーの強みについて、岩附統括課長は「イメージセンサーを含む基幹デバイスを内製しているため、ユニークな商品性を提示できる」と話す。

「α9」はボディだけで約50万円になる(撮影:尾形文繁)

イメージセンサーとはレンズから取り込んだ光を電気信号に変換する半導体で、ソニーはカメラ向けに加えスマートフォン向けでも高シェアを保っている。イメージセンサーの設計はカメラメーカー各社で行っているものの、製造まで完全に内製しているのはソニーとキヤノンのみだ。

イメージセンサーは大きくなるほど光をより多く取り込み、きれいな写真を撮影できる。プロやハイアマチュアは大きなセンサーサイズのカメラを使用しており、センサーが大きくなるほど高級品になる。

一眼レフのフラッグシップモデルと同様の「フルサイズ」と呼ばれる大型のセンサーサイズを使用したミラーレスを製造しているのは、現在ソニーだけだ。2015年にはソニーのミラーレスのうち、フルサイズセンサーの製品は25万台出荷されていたが、2017年には46.5万台まで拡大した(テクノ・システム・リサーチ調べ)。

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