アップルとサムスン、7年越しの係争に終止符 スマートフォンのデザイン特許訴訟で和解
[27日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>と韓国サムスン電子<005930.KS>は27日、スマートフォンのデザイン特許(意匠権)侵害を巡る訴訟で和解した。7年越しの係争に終止符が打たれた。
カリフォルニア州の連邦地裁に提出された文書で明らかになった。和解金の金額など、条件の詳細は不明。
この裁判は2011年、サムスンのスマホとタブレットがアップル製品を「そのまま」模倣しているとしてアップルがサムスンを提訴したことから始まった。2012年にはサムスンの賠償責任が認定されたが、サムスンは賠償額を巡ってアップルと対立、再審が行われていた。サンノゼの連邦地裁陪審は今年5月、サムスンに5億3900万ドルの支払いを命じた。この陪審評決が控訴審で支持される場合、サムスンは追加で1億4000万ドル近くを支払うことになる。
アップルの広報担当者は和解条件に関するコメントを差し控えたが、「意匠権に深く留意している」とし、「今回の訴訟は常に、金銭問題より重要だった」と述べた。サムスンからのコメントは得られていない。
2社は世界スマホ市場で覇権を争っており、今回の決定にかかわる金額は両社の最終的な損益に影響を与える可能性は低い。ただ、米国の特許関連の法律には継続的な影響をもたらしている。
サムスンは控訴裁判所で敗訴した後、連邦最高裁に上告。最高裁は2016年12月、サムスンが3億9900万ドルの賠償金を支払う必要があるとした控訴裁の判決を全会一致で退けた。問題となったデザイン特許が製品の一部のみに利用されている場合、関連製品の販売によるすべての利益を賠償金の支払いに勘案する必要は必ずしもないとの判断を示した。
ただ今年、再審が命じられた際に陪審は、サムスンの利益はアップルの意匠権を侵害するデザイン要素に帰するものであるとするアップルの主張を認めた。
特許法を専門とするビラノバ大学のマイケル・リシュ教授は、最近の判例からみて、今回の和解によりサムスンは追加の支払いを求められる可能性が高いと分析した。ただ、この訴訟において真の勝者はいないと述べた。
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