トヨタ「15代目クラウン」乗ってわかった実力

「日本に向き合った車づくり」で随所を高めた

新型クラウンの顔(筆者撮影)

世界で戦えるデザインとして、ボディサイズは死守しながらも躍動感のあるデザインを採用。先代からの開口面積の大きなグリルを踏襲しながら、車体下部をウイング形状とすることで数値以上のワイド感を演出した。夜間の視認性向上など優れた実用性を提供するヘッドランプには、デザインとしてのアイキャッチとなるようデイランプ/クリアランスランプをランプ周囲に配して特徴付けた。

「6ライトデザイン」を採用したことで実現した、なだらかな弧を描くルーフライン(筆者撮影)

サイドシルエットはシンプルな面構成としながらも、ホイールベースを延長しながら全高を低くすることで従来よりも前後に伸びた印象を強めた。また、前席、後席、Cピラー前の左右それぞれ窓を配置した「6ライトデザイン」を採用したことで、なだらかな弧を描くルーフラインを実現している。

テールランプもヘッドライト同様に、ストップランプに奥行きを演出するため複数のレイヤー構造としながら、方向指示器(ウインカー)には、内側から外側へと流れるように点灯する連鎖式点灯(シーケンシャル点灯)を採用した。

日本人の手のひらの大きさまでを設計に採り入れた

さらに世界に戦えるデザインの一例として、ドアハンドルをはじめとした使い勝手にもこだわった。これは単なる見た目のデザインを昇華させただけでなく、実際にドアを開け閉めする際に人が感じる重さや開閉音に至るものだ。メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどで計測した感性評価を軸に、日本人の手のひらの大きさやドアを開け閉めする際にドアに掛かる力までを設計に採り入れることで、触れた瞬間に重厚さを実感できるよう心掛けた。

確かに新型クラウンのドアノブに触れてみると従来型ではカチッとした軽快感が先に来る印象が、新型では重厚で精密な金庫のドアノブを引くような気持ちよさがある。ドアを閉める際に発生する音も従来型が”バンッ”であったところ、新型では”ズドン”と重みがある。これはドアパネルの発音面積(締めた際に音がでる面積)を大きくし低音を意図的に増幅させた結果だ。

インテリアでは、従来型からの上下2段式のモニター構造をさらに進化させた。上部の大型モニターはナビゲーション表示を行うことを考慮してドライバーから距離をおいて見やすさを強調しつつ、下部のモニターは車両情報など細かな文字が並ぶセッティング画面への視認性を狙った。

世界で戦える走りは、新世代の車作りである「TNGA」による新設計骨格が支える。先にデビューしたレクサス「LS」と共有する部分をもちながら、全幅1800mmへと幅を狭めるためにフロントサスペンションは新規開発を行い、リヤサスペンションにしても最適化が図られた。

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