日経平均3日続伸、米中貿易戦争の懸念後退 3カ月半ぶりに終値で2万3000円台乗せ
[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸し、終値は2月2日以来、3カ月半ぶりに2万3000円台に乗せた。ムニューシン米財務長官が20日、米中貿易戦争をいったん「保留」にすると述べたことを受け、相場の先行きに対する過度な懸念が後退。ドル/円<JPY=>が111円台前半まで円安に振れたことや、米株価指数先物の上昇も日本株の支援材料となった。
対照的にTOPIXは0.08%安。メガバンクが軟調に推移した。大型株で構成するTOPIXコア30<.TOPXC>は0.26%安だった。業種別では保険が下落率でトップ。その他製品、ノンバンク、海運、鉄鋼の下げが目立った。上昇率トップはガラス・土石。機械、空運などが堅調だった。
日経平均が2万3000円台を回復した後は、リスクをとって上値を追う姿勢は限られた。後場の値幅(高値と安値の差)は約49円にとどまり、膠着感が強まった。東証1部の売買代金は4月17日以来、1カ月ぶりの低水準となった。
ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏は「米中貿易戦争への懸念はいったん和らいだが、決着したというわけではない。この点がクリアになれば上値を追えるようになるが、米経済指標も確認したい局面」と話す。
主力株ではファーストリテイリング<9983.T>とファナック<6954.T>が上昇し、2銘柄で日経平均を約32円押し上げた。一方、任天堂<7974.T>が2%を超す下げとなったほか、鹿島<1812.T>が年初来安値を更新。円安進行にもかかわらず、トヨタ<7203.T>は小幅安だった。
このほか富士フイルム<4901.T>が反発。18日発表の2019年3月期業績予想で、連結営業利益が前年同期比53%増の2000億円と利益回復を予想していることが好感された。
クリーク・アンド・リバー社<4763.T>もしっかり。第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が19日開かれ、是枝裕和監督の「万引き家族」がコンペティション部門の最高賞「パルムドール」に輝いた。配給するギャガ(東京都港区)に出資しており、関連銘柄として物色された。
半面、TYK<5363.T>が大幅安。18日に発表した19年3月期の連結業績予想は、営業利益が前年比35.4%減の17億円の見通しだった。大幅減益と減配の見通しを嫌気した。
東証1部の騰落数は、値上がり1068銘柄に対し、値下がりが933銘柄、変わらずが82銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 23002.37 +72.01
寄り付き 22937.58
安値/高値 22935.31─23050.39
TOPIX<.TOPX>
終値 1813.75-1.50
寄り付き 1815.23
安値/高値 1812.86─1819.74
東証出来高(万株) 129359
東証売買代金(億円) 21284.47
*見出しを修正しました。
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