資金不足?テスラが直面している厳しい現実 「これ以上の資金は不要」と強気だが…
テスラの株式を少額保有するRangeley Capital社のアンドルー・ウォーカー氏は、「そこには多くの流動的な要素がある。疑問が多く、あまりにもブラックボックス化している。今後の判断はかなり難しい」と4月25日に語り、株価が下落すると判断している。
今年に入って株価は9%以上下落
4月26日午後、テスラ株は1%高の283.67ドルをつけているが、同社株は今年に入ってこれまでに9%以上、下落している。
UBSのアナリスト、コリン・ランガン氏は、2017年の決算で33億7000万ドルの現金を保有するテスラだが、フリーキャッシュフローが今年上半期に16億ドルのマイナスと予想されることから6月末には現金保有残高が10億ドル以下に落ち込む可能性があると予測している。バーンスタインなどは18億ドルのマイナスになると、さらに厳しく見積もっている。
UBSの計算では、2018年の債務借り換えと未払債務である12億ドルを差し引くと、テスラの現金保有高は6億ドルにまで落ち込む。フリーキャッシュフローが8億8000万ドルのマイナスというモルガン・スタンレーによる上半期予想など、もっと楽観的なフリーキャッシュフローモデルを使えばテスラの資金は何とか13億ドルを維持する。
モルガン・スタンレーのアダム・ジョーンズ氏は先週公開したメモに、「テスラが資金を調達する『必要』はないかもしれないが、多くの投資家は同社が強く『希望』するだろうとの予想だ」と書いた。
多くの部分はモデル3の効率的な大量生産と厳しい支出管理にかかっている。テスラでは、モデル3を現在の1週間あたり2000台以上から5月には3000〜4000台へと増産し、第2四半期末(6月末)までには5000台に増産することを目標としている。
4万4000ドルという価格のモデル3を1週間当たり5000台製造すれば四半期あたり26億4000万ドルの売上高が計上されるが、どの程度が収益につながるかはその効率性次第である。