しまむらが9期ぶりに減収、失われた「雑多感」 "宝探し"のできる店舗を再び増やせるか…

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会社側は今2019年2月期について売上高5875億円(前期比4.0%増)、営業利益510億円(同18.9%増)と増収増益を計画。いずれも過去最高となる。

今期は楽天やZOZOTOWNなどEC(ネット通販)モールへの出店を模索する。だが、しまむらにとってECはあくまで店舗に来られない人をターゲットとした補完的位置づけであり、今年度の業績への貢献は限定的だ。復活のカギを握るのが実店舗であることに変わりはない。

地域に寄り添った商品展開も

既存店は婦人服を中心に、アウターやトップス、スカートなどのカテゴリーで商品数を増やし、テコ入れを図る方針だ。品ぞろえの拡充で“宝探し”を楽しめるような店舗に戻し、一方で現在約3割を占めるPB商品の開発にも注力する。「しまむらの代表商品というと、『裏地あったかパンツ』としか言われない。もう一つ看板商品を作りたい」(北島社長)。

全国一律だった品ぞろえを、地域の特性に合わせて個店ごとに工夫する(撮影:梅谷秀司)

店舗が立地する地域の特性に応じたラインナップも強化する。これまで店頭に並べる商品のバリエーションは全国一律が基本だったが、昨年は各店舗からの要望に応じた商品展開も行える仕組みを構築。夏祭りや運動会など、地域のイベントに対応した商品を投入し、来店動機を増やす狙いだ。

また、昨年開業した京都駅近くの店舗では、訪日観光客の需要を見越して浴衣や着物を充実させた。低価格を強みに、近年流行しているレンタルへの対抗も辞さない構えだ。売り上げの動向を見て、博多や浅草といった訪日観光客の多い地域の他店舗でも、同様の商品展開を検討する。

ECが勢いを増す中、今期もグループ全体で102店舗の出店(前期は87店舗)を計画し、実店舗拡大の方針は堅持するしまむら。ただ、3月度の既存店売上高は前年同月比5.6%減と苦しいスタートになった。会社側がもくろむ業績計画を達成するのは決して容易ではない。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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