日本のホテル「スマート化」を阻む壁と解決策

簡素化でビジネスホテルへの導入も可能に

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町にINTERELを導入したサンコーテレコムに取材したところ、問題の本質が見えてきた。

サンコーテレコムは、主にオフィスビル向けに情報通信ネットワークを構築するためのシステムやテレコム製品を輸入し、システム提案から設計施工を行うことが本業だった。しかし、ネットワークシステム、テレコムの機器更新が一巡。経営環境の変化に対応する必要があったという。海外の電話交換機システムなどの製品輸入代理店として、販売、設計・施工をオフィスビルやホテルに対して行ってきた。

しかし、オフィスビルのインテリジェント化が進む中で、将来的な成長戦略が描きづらくなっていった。情報化にともなって旧来のインフラ事業者が売り上げを失っていく構造は、さまざまな業界で存在している。

日本市場向けの改良・カスタマイズを行う

そこで現社長のアチュリ・カペラ・ウィリアム氏が進めたのが、海外製パッケージや対応機器を提供する企業と代理店契約を結び、日本市場向けにローカライズし、インテリジェントオフィスを構築するサービスだった。

INTERELも同社自身が代理店だが、単にパッケージ製品を買って販売しているだけではない。

鏡はタッチパネルとなっていて、さまざまな注文をすることができる(筆者撮影)

ウィリアム氏は「ホテルに必要なソリューションパッケージは、実にさまざまなものがあります。ホテルに導入されるネットワーク対応の各種ハードウエア(ディスプレー機能付きミラー、ネットワーク対応照明、電動カーテン、空調、それらのコントローラーや館内電話端末など)、オーディオ機器、映像機器と、それらにコンテンツ配信や館内サービスシステムを提供するアプリケーションなど。われわれが代理店のパッケージもありますが、本当の強みは多様なソリューションを自由に組み合わせ、一貫性のある体験にまとめられるミドルウエア(プログラム)を開発したことにあります」と話す。

海外製品の輸入代理店として始まった同社の強みを生かし、洗練されていて海外でシェアが高いのに日本での導入が進んでいないパッケージソリューションの代理店となり、日本のホテル業界にマッチするよう日本語化。さらに日本市場向けの改良・カスタマイズを主体的に行っているという。

そして、昨年よりルートロン アスカ(ルートロン エレクトロニクス社の日本法人)がホテル客室制御システムを日本に向けても販売開始し、同社が代理店及びシステムインテグレータとして取り扱う案件を、すでに国内でも進行させている。

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