販売店が悲鳴、スバルが直面する新たな試練 無資格検査リコール対応で整備士不足に拍車

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全国のスバルの販売店は449店。単純計算しても、今回のリコール分だけで1店舗当たり約800人にダイレクトメールを送り、入庫予約を受けつけなければならない。人手が足りない店舗では、もともと営業スタッフ1人で400人もの顧客を担当しているところもあり、リコール発表後の週末は他の業務に手が回らない状態が続いているという。

さらに厳しいのは整備工場だ。整備士は従来から業界全体として人手不足で、これまでも整備工場の効率化は課題だった。洗車スタッフにアルバイトを雇い、手際のよい整備士がエアバッグのリコールを、ベテランが力や技術のいる仕事を、若い整備士はそれ以外を、という分担で回していた。若い整備士の技術育成にはならないが、この体制でどうにかこなせるようになっていたところだった。

首都圏のスバルの販売店。整備工場は車で埋まっていた。整備の現場も逼迫している(記者撮影)

ある整備士は「今回のリコールも、正直またかという感じです」と話す。9月にも「サンバー」という軽商用車で62万台規模のリコールが出たばかりで、その対応もしているという。スバルの吉永泰之社長は、「販売店について、非常に心配している。整備士と話すと、『頑張るけど、これ以上できませんよ』と不安がっている」と危機感をあらわにする。

ユーザーに5万円出し、入庫時期分散へ

販売店の負担を少しでも減らそうと、スバルも対策を打ち出した。販売店ではリコール対象車のユーザーに対し、法定12カ月・24カ月点検や36カ月の初回車検のタイミングでリコールに必要な点検を同時に行うことを電話や口頭で提案している。リコールはメーカーが国土交通省に届け出た後、1年以内に行う必要があるが、この取り組みで入庫の時期をずらすことができる。法定点検・車検とリコールの点検には重複項目があるため、その分はメーカーが5万円を負担する、という形を取る。

車検に必要な料金は、重量税や自動車損害賠償責任保険料などの法定費用と、実際の点検・整備に必要な費用で分かれている。たとえばスバルの「XV」の場合、ディーラーでは法定費用が約6万3000円、実際の検査にかかる費用は3万~4万円ほどだ。メーカーからユーザーに振り込まれる5万円は、表向きは重複作業費としているが、実際はユーザーに納得してもらい、円滑なリコール対応に協力してもらうための詫び金である。あるディーラーによると、すぐに対応してほしいというユーザーも一定数いるが、5万円もらえるなら次の点検を待つ、と判断するケースが多いという。

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