ダイワボウがTOBで村上ファンドOB一掃

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ダイワボウがTOBで村上ファンドOB一掃

紡績中堅のダイワボウは、持ち分法会社のダイワボウ情報システム(DIS)に株式公開買い付け(TOB)を実施する。発行株式の43%を買い占めているエフィッシモ・キャピタル・マネージメントから10月下旬までに全株を買い取り、最終的には完全子会社化も視野にする。

TOBについてダイワボウは「中期経営計画の策定を控え、事業ポートフォリオの拡充を考えた結果」と説明する。エフィッシモは旧村上ファンド関係者がシンガポールに設立したファンド。「株主総会ではいつも賛成票を投じてくれていた。ファンドの一つという認識以上のものはない」と、TOBとは無関係なことをダイワボウは強調する。

パソコン販売が主力のDISの売上高(昨年度3823億円)はダイワボウの約6倍。TOB後、グループ経営は大きく変わらざるをえない。最大368億円に上る取得代金は借入金で賄う。一見したところ、両社のシナジーが早期に発現するか疑問符も付く。大金を投じる意味を株主にどれだけ説明できるか……。 

 

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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