ゾンビ状態の民進党、いつまで延命するのか 両院議員総会では前原バッシングが炸裂
「もう民進党の歴史的使命は終わった。もちろん身内にとって、民進党は存続させる意味はあるだろう。しかし有権者にとってはどうか」。幹事会に出席していた民進党兵庫県連幹事長の向山好一県議は、執行部など幹部の認識の甘さを指摘する。
「再来年(2019年)の春には統一地方選挙で、その年の夏には参議院選挙がある。またそれまでに衆議院が解散されないという保証もない。その時にちゃんと候補をたてることができるのか。民進党の看板を背負っていては、有権者は話も聞いてくれないだろう」
もっとも希望の党と立憲民主党が合流するとするならば、民進党の存在意義はあるはずだと向山県議は言う。しかしこの2つの政党は“政策協定”なるもので分断されてしまったため、もはや合流は不可能だ。その現実を幹部は認識していないと向山氏は嘆く。
「私がそのように意見を言ったら、岡田(克也)さんは『そう悲観的にならず、我慢しなければいけない』と言った。我慢してなんとかなるのならいいが、実際にはどうにもならない」
まさに悲鳴ともいえる声だが、このような意見が地方からいくつも出てきたのだろう。中にはひとりで何度も質問する幹事もいて、前述のように全国幹事会は4時間にも及んだ。
なぜ民進党は追い詰められたのか
さて、民進党がここまで追い詰められたのはなぜなのか。その理由は10月27日に開かれた両院議員懇談会のやりとりを見ればわかるだろう。
「全ては安倍政権を倒したいという思いで行ったことであり、他党を利するつもりはなかった」
そのように自己の行為を正当化する前原代表の言葉から浮かんでくるのは、希望の党にしてやられた民進党の姿だった。
たとえば9月21日の段階で、一定数の民進党の議員が排除されることが前原代表に伝えられている。にもかかわらず、前原代表はそれを10月1日までほとんど誰にも話していなかった。そして9月28日の両院議員総会で「衆議院の全員が希望の党に移る」という案を前原代表が提案し、全会一致の賛成を得たのだった。そもそも前提が正しくない時点で、この決定は無効といえなくもない。
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