21歳地下アイドルが悟った仕事観と対人関係 「自分とは合わない人」を断って見えてきた

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実は地下アイドル活動に復帰してからその頃まではまだ、前よりつらくはないけれど、やや違和感が残っているというか、自分に何が合っているのか確信を持てない時期が続いていたのです。

しかし私は、このリリースをきっかけに、地下アイドルの自分と、私生活の自分が重なるのを感じました。

本当に幸運なことに、それを好きだと言ってくれるファンの人も、地下アイドルの女の子たちも、関係者の方々もいてくれたのです。

いま私は、やっとこの世界に自分の居場所を築けたと思っています。

どうやら私はここにいてもいいようなのです。

この世界に自分の居場所を築けた

もう一生、自分の居場所を見つけられないような気がして、絶望していた頃の自分に会いに行って、教えてあげたいです。

こうしていつしか私の気持ちは晴れていきました。

もちろんそれからずっと、すこぶる元気というわけではありません。相変わらず憂鬱なときもあります。ほかの地下アイドルの女の子たちがライブをしているときに、人前に出ないで地下アイドルについての原稿を書いている自分を焦れったく思うこともあります。私も地下アイドルなのに、本当にこれでいいのかと思ってしまいます。

でもそれは、人それぞれ向き不向きがあるのだから仕方ないことです。

ゆっくりとこの世界を泳いでいく

『職業としての地下アイドル』(朝日新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

自己主張が苦手な私は、今日舞台で輝くよりも、地下アイドルについて知らない人や、たとえばずっと未来に地下アイドルの文化が形を変えていたとして、そのときのために文章を残すことのほうが、きっと向いているのです。

私は幸せを、安心の上に、うれしいや楽しいが乗っかった状態だと考えています。

世界には、うれしいことも楽しいこともたくさんあります。しかし、安心していないことには、うれしいも楽しいも落ち着いて享受することができません。

私の安心は、磁場を形成できた地下アイドルの世界にありました。

長らく個人的な体験談の話が続いてしまいましたが、どうかこの記事を読んでくださったあなたが、他人と自分を比べることなく、自分の想いを尊重して、溺れないように力を抜きながら、ゆっくりとこの世界を泳いでいけますように。

地下アイドルの世界より心からの愛を込めて。

姫乃 たま 地下アイドル、ライター

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ひめの たま / Tama Himeno

1993年2月12日、東京都生まれ。16歳よりフリーランスで始めた地下アイドル活動を経由して、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業を営んでいる。音楽ユニット・僕とジョルジュでは、作詞と歌唱を手掛けており、主な音楽作品に『First Order』『僕とジョルジュ』等々、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新書)、『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)がある。

ウェブサイト ■ http://himenotama.com
Twitter ● https://twitter.com/Himeeeno

 

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