「日経平均2万5000円」は絵空事じゃない

強気の代表格・武者陵司氏の日本株大胆予測

新たな需要を創造するためには、政府が財政を出動させて需要を創造する財政政策、中央銀行が金融緩和を行い、株価など資産価値を上昇させることによって購買力を高める金融政策、そしてユニバーサル・ベーシック・インカムに代表される社会政策という3つの政策が考えられます。いずれにしても重要なのは、今、起こっている問題に対して、いかに現実的な手法で対応するか、ということです。この点、安倍晋三首相は、極めて現実主義の政治家ですから、結果を重視した政策を打ち出してくるでしょう。

世界的に産業革命が進むなか、日本の企業利益は過去最高を記録しました。それは、1990年代以降の「失われた20年」によって、日本の産業優位を支えていく新しいビジネスモデルが見えてきたからです。それは、価格競争から抜け出すためにオンリーワンの製品・サービスを生み出すというものです。

グローバルスタンダードを獲得するためには、非常に高いリスクを覚悟しなければなりません。そして、この獲得競争では、米国企業と中国企業が激しい戦いを繰り広げており、ここに日本企業が参戦しても、勝つのは相当難しいでしょう。だから、グローバルスタンダードを取るのではなく、その競争に勝った側に対して、部品や素材を供給すればいいのです。

そこはニッチな技術、高品質が求められる分野であり、日本が最も得意とするところです。ニッチ分野においては、さまざまな技術要素のすり合わせが必要です。言い換えると匠の世界であり、米国や中国にとっては最もまねしにくい分野です。そして、そういう技術が今、世界中のあらゆるところで求められているからこそ、日本企業は史上最高の利益を上げることができたのです。

サービス産業もインバウンドで収益性が改善

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また、好調なのは製造業だけではありません。サービス産業の利幅も増えてきています。その一番の理由は、いわゆるインバウンド(訪日外国人観光)需要です。8月の訪日外客数は、月間ベースで過去最高の247万7500人でした。年間ベースでは、昨年が過去最高の2403万9700人でしたが、今年に入ってからは、各月で昨年同月を大きく上回っているので、このままのペースが続けば、今年の訪日外客数は、昨年をはるかに超えるはずです。

こうした訪日外国人観光客が、日本の高品質なサービスを体験し、それを世界的に広めてくれた結果、さらに多くの外国人観光客が日本を訪れるという好循環が生じてきました。これまで日本国内では、デフレの影響もあって、サービス業が単価を引き上げるのは、なかなか困難な状況でしたが、訪日外国人観光客の数が増えれば、サービス業でも価格を引き上げやすくなります。デフレ経済はいよいよ終わりを告げるでしょう。日本株の上昇余地がいかに大きいか、これらの理由でもよくおわかりいただけると思います。「年末までに日経平均株価2万5000円」というと、疑問視する方もいると思いますが、決して絵空事ではないのです。

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