ソニーの4-6月営業益、10年ぶり過去最高更新 前年同期比2.8倍の1576億円に
[東京 1日 ロイター] - ソニー<6758.T>が1日発表した2017年4─6月期連結決算(米国会計基準)は営業利益が前年比2.8倍の1576億円となり、第1・四半期として10年ぶりに過去最高を更新した。ゲーム&ネットワークサービス事業は減益となったものの、半導体事業とイメージング・プロダクツ&ソリューション事業が利益を押し上げた。カメラモジュール製造子会社の持ち分売却も寄与した。
これまでの最高は2007年4─6月期の1213億円(改定数値、当初993億円)だった。
会見した吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は「2007年度は(今期予想の)5000億円に届いていない。引き続き緊張感を持って業績を積み上げていきたい」と慎重姿勢を崩さなかった。
イメージング・プロダクツ&ソリューション事業は前年同期に熊本地震の影響があった反動増もあり、営業利益は前年比3.0倍の232億円に拡大。半導体事業はイメージセンサーの販売増に加え、カメラモジュール製造子会社の持ち分売却もあり、営業損益は前年同期の435億円の赤字から554億円の黒字へと改善した。
一方、ゲーム&ネットワークサービス事業は、前年同期に利益率の高いソフトが売れた反動とプレイステーション(PS)4の値下げの影響もあり、営業利益は前年比59.7%減の177億円と低迷した。
売上高は前年比15.2%増の1兆8581億円だった。半導体事業が前年比41.4%増の2043億円と大きく伸びた。
通期予想は売上高を3000億円上乗せし、前年比9.2%増の8兆3000億円に上方修正した。想定為替レートを1ドル105円から110円に、1ユーロ110円から120円に、それぞれ円安方向に見直したことが主因。
利益予想は据え置いた。営業利益予想は前年比73.2%増の5000億円とトムソン・ロイターが集計したアナリスト26人の予測中央値5665億円をやや下回る水準になっている。
吉田副社長は利益予想を変更しなかったことについて、為替や金利、地政学リスクなどマクロ環境に不透明感があることなどを理由に「先行きは慎重に読んでいる」と説明した。
4─6月期の利益に貢献したイメージセンサーは、中国のスマートフォン販売がハイエンドからミドル・ローエンドへややシフトしたことを受け、販売数量計画を下方修正。半導体分野の売上高予想は200億円引き下げ、前年比11.2%増の8600億円に見直した。
イメージセンサーの下方修正について吉田副社長は「4月の見通しからは下げたが、大きなトレンドであるデュアル化やフロントカメラの高度化の流れは変わっていない」と指摘。「(半導体事業の売上高は)前年比でみれば10%程度増の見通しを持っており、スマートフォン向けのCMOSセンサーの大きなトレンドが変わったということではない」と強調した。
(志田義寧)
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